四十話:ぶつかり合う想い
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を連れ戻すためにあなたと戦う! あなたを何があっても連れ戻す、それがグレモリー眷属の総意よ!」
そう力強く宣言する、リアスに対してルドガーは一瞬だけ心苦しそうな顔を覗かせるがすぐにその顔を引っ込め、一直線に突っ込んで来ていたゼノヴィアに対応する。ゼノヴィアの顔は迷いでルドガーに刃を向けることが出来なかった先程までとは違い、覚悟を決めた険しい顔つきになっていた。二人は刃を交えながら言葉を交わしていく。
「君が手足をもぎ取ってでも私達を止めようというのなら私達も君の手足をもぎ取るつもりで戦わせてもらう!」
「やっと、覚悟を決めたか……でもな、そうなった場合、俺は舌を噛み切って自害するかもな。そもそも、俺が死ねば狙われることは無いんだから」
「まったく、君は強情な奴だな!」
刃がぶつかり合う事に火花が散っていき、辺りを照らしていく。一撃一撃の重さはゼノヴィアの方が武器の性能、戦い方の両方から見て、はるかに上回っている。現に打ち合い自体はジリジリとではあるがゼノヴィアが押していっている。
しかし、ルドガーはゼノヴィアよりパワーが低い分をテクニックで補い、相手に決定打を打たせない。押されながらも冷静に逆転の一撃を入れる隙を伺っている。ゼノヴィアもその事には気づいているので緊張感を切らさず額に汗を浮かべながら斬り合いを続けている。
そんな斬り合いの拮抗した状態を打破するべくルドガーはある行動に出た。
「なっ! 武器を捨てた!?」
「アッパーブライス!」
「なあっ!?」
そのある行動とは斬り合いの最中に自分の武器である双剣をゼノヴィアに向けて投げ捨てるという行為である。本来であれば戦闘中に剣士が剣を離すことなどあり得ない為にゼノヴィアは驚きで一瞬硬直してしまう。ゼノヴィアはその時失念していたのである。ルドガーはただの剣士ではないという事を、彼の神器は武器創造系だという事を。
ルドガーは剣を投げ捨てると同時に素早くハンマーを創り出していたのである。そして硬直したゼノヴィアをまるで天に打ち上げるかの様にハンマーで大きく吹き飛ばす。ここまではルドガーの計画通りでありルドガーもこれで自分が有利になると踏んでいた。そう、ゼノヴィアを吹き飛ばした際に自身の頭上に巨大な雷雲が立ち込めていることに気づくまでは。
「ふふふふ……少々痛いですが我慢してください」
「くっ! トライスパロー!」
ルドガーは朱乃が雷雲に自身の電光を流そうとしているのを防ぐために双銃に持ち替えて風を纏った、じゃれ合う燕のような弾丸を放つ。しかし、その弾丸は突如として宙で“停止”してしまった。ギャスパーが止めたのである。ギャスパーの力ではルドガー本人を止めることは出来ないが銃弾であれ
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