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フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
第一章 土くれのフーケ
土くれのフーケ 
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!?」

 結局、どこの世界の人間もそういうものか・・・。と架が目を閉じてそう思っていると、不意にピッと杖を上げる音が聞こえた。

「私が行きます!」
「ルイズ?」

 上げたのはルイズだった。真剣な表情で杖を掲げるその立ち姿は、いつもの小ささはなく今はとても大きなものに見えた。

「ミス・ヴァリエール!君はまだ学生だろう!?」
「私も参りますわ。」
「キュルケ!?」
「ふん、ヴァリエールには遅れをとらないわ。」

 ルイズに負けじとキュルケも杖を上げた。さらに、

「・・・。」 スッ
「タバサ?」
「あなたまで行かなくていいのよ?」
「・・・二人が心配。」
 
 続いてタバサもその大きな杖を掲げた。キュルケは引き留めようとするが、タバサの言葉を聞くと感動したような顔で「タバサ・・・」と呟いた。ルイズも嬉しそうに「ありがとう。」と級友に礼を言った。

「ふむ、では彼女たちに任せるとしようかの。」
「オールド・オスマン!?し、しかし・・・!」
「この子たちはフーケの目撃者じゃ。手がかりの少ないこの状況では彼女たちが適任じゃろう。」
「しかし、彼女たちはまだ学生ですよ!?」
「何、戦力も問題なかろう。そこのミス・タバサは、その若さで『シュヴァリエ』の称号を持つ騎士(ナイト)じゃからな。」
「ナ、ナイト!?」
「本当なの、タバサ!?」

 オスマンから告げられた事実に教師たちがざわついた。これは二人も知らなかったらしく驚きの声を上げると、タバサはコクリと頷いた。
 爵位としては決して高いものではないが、金で買える貴族の名ではなく純粋な実力が認められ王室から与えられる『シュヴァリエ』。まさかタバサの年齢でそれを持っているとは驚きである。

「さらにミス・ツェルプストーはゲルマニア有数の軍人の家系であり、彼女自身も優秀な炎の使い手と聞いておる。」

 オスマンがキュルケの方を向きながら言うと、彼女は得意げにその豊満な胸を反らした。
 「そして・・・」と、最後にルイズへと視線を向ける。ようやく自分の番だ、とばかりに得意げに背伸びをするルイズだったが、オスマンはやや困ったように言いよどみ、

「え〜、ミス・ヴァリエールは、その、優秀なメイジを輩出しておるヴァリエール家の三女であり、あ〜、将来有望な・・・」

 真っ先に名乗り出てくれた上、一人だけ何もないというのは流石にアレだったので目をあちこちにやり、どう言ってあげるかと考えまくるオスマンだが、ふとその視線が架の方を向くと「おお、そうじゃった!」とポンッと手を打った。

「その使い魔は、かのグラモン元帥の息子であるギーシュ・ド・グラモンを容易くあしらってしまう程の実力の持ち主である!!」

 上手く逃げたな、と架は苦笑した。とりあえ
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