異変
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朝、か。
戦い通しな日々を送っていたせいか、かなり深く眠れたようだ。しかし、暗黒の力を持つおれにとって太陽は身体に良くないものだから、実の所、昼夜逆転生活の方が過ごしやすかったりする。
「はぁ、つまりサバタ兄ちゃんは朝に弱いんやなぁ。意外……でもないか」
「はやてにとって俺はどう見えているのだ……?」
「ん〜頼れる兄ちゃんだけど基本的に日陰者?」
「日陰者……………フフッ」
「あっはっはっは! 日陰者ってサバタ、あんた出世できないって言われてるよ!」
「うるさい、アルフ。フェイトもそこで笑うんじゃない! …………はやて!」
「まあまあ、さっきのは冗談やから怒らんといてぇな! 心配せんでもサバタ兄ちゃんは…………あ〜……やっぱよく考えたら人生で色々割を喰いそうや」
……冷静に思い返してみれば、おれは確かに色々割を喰う人生を送ってきていると思う。しかし日陰者という言葉は存外シャクに感じた。
「……よし、はやて。今度おまえを特別製の棺桶に入れてやろう。心配するな、寝心地は良いぞ?」
「怖いわっ! てか寝心地ってサバタ兄ちゃん、棺桶で寝た事あるんかいな……?」
「寝てはいないが入った事はある。それに焼かれたりもしたな」
『焼かれた!!?』
以前、白き森でジャンゴに浄化を頼んだ時の話だ。尤もラタトスクに逆に利用される羽目になった事から結果的には失敗だったのだが。
おれが棺桶に入った経験がある事にはやて達が動揺している中、おれは黙々と朝食を食べ進めた。ふむ、紅ジャケの塩加減が丁度良く、ご飯が進む。
ちなみに今朝起きて、ここに住まわせてもらう礼から朝食を作ろうとしたものの、驚いた事にはやてが先に作っていたので手伝おうとしたのだが「台所は女の戦場や」と言われて追い返されている。朝から妙に張り切っていたはやての様子や、昨日の夜彼女が呟いた言葉から推測すると、この奇妙な疑似家族関係をできるだけ崩さないようにしているのかもしれない。
世話になってる借りはしっかり返すからわざわざ崩す気もないが。
「さ、サバタ兄ちゃん、冗談キツイわ〜。ちょっとばかり物騒やから、もうこの話はやめにしよっか」
『賛成!』
「昨日から気になっていたが、はやてまでおれを兄扱いなのか?」
「ええやん、こ〜んな美少女からお兄ちゃんって呼ばれるんやし。サバタ兄ちゃんも少しは私に歩み寄ってみたらどうや?」
「歩み寄る、か。具体的にはどうして欲しいのだ?」
「そやねぇ……皆で一緒にお出かけとか、かな?」
意外に平凡な事を頼んできたはやてだったが、その目からやっぱり否定されるだろうな、という気が感じ取れた。これまで車イスで過ごしてきた彼女のこれまでの経験が、足の動かない自分にわざわざ付き合
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