暁 〜小説投稿サイト〜
リリなのinボクらの太陽サーガ
暗黒の戦士
[8/11]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
…!?」

「先に言っておくが、こいつはただの吸血鬼とは勝手が違う。おまえ達夜の一族のような吸血鬼と違い、暗黒物質に取り込まれ吸血変異を起こした、人としての理性を失くした存在。反生命種にして正真正銘の不死者、アンデッドだ」

「アンデッド……!? サバタさん……あなたはいったい……!」

「これ以上話している暇は無い、来るぞ!」

次の瞬間、謎のヴァンパイアは両手のクローを用い、凄まじい速さで斬り込んできた。咄嗟に年少組の二人をすずかの姉がリードして離脱、恭也は飛針と鋼糸の牽制も交えながら正面から小太刀の二刀流でクローと立ち合い、おれはゼロシフトで回り込んで暗黒ショットを連射した。ダークマターを操る暗黒銃の性質上あまり効果的ではないが、何も全くダメージが通らないわけではない。それになし崩し的にヴァンパイアの相手をしている恭也もかなりの手練れだ。太陽の力を使えないため、彼では倒せないが少なくとも太刀打ちできないほど劣勢ではないはずだ。

「こいつ、俺の早さについてこれるだと!? ならば!!」

次の瞬間、恭也の速度が爆発的に上がり、おれでも目で追う事が難しくなった。爆風を撒き散らす程速ければヴァンパイアも流石に追い付けないだろうと思ったのだが、暗黒ショットを胴にもらってひるんだ所に恭也が追撃を仕掛けた直後、凄まじい殺気と爆発的な衝撃を発生させてヴァンパイアが恭也と同じ速度、いやそれ以上の速度で反撃し始めた。

「馬鹿な……こいつも『神速』を使えるのか!?」

ヴァンパイアの強さを見誤ったどころか、本気を出し始めた事で恭也のスピードが追い付かなくなっていた。それに体をどこか痛めているのか、彼には戦い慣れている者が見れば気付く程のわずかな遅延がある。その隙を見出したヴァンパイアは暗黒銃の間隙と恭也の攻撃時に生じる硬直が同時に起きるタイミングを的確に狙い、クローで切り裂いた。
ブレイクを狙われた恭也はバランスの悪い姿勢ながら反撃、並外れた速度の太刀筋でヴァンパイアのクローを右手のものだけ切り落とした。しかし、続けざまに放たれた左手のクローを防いだものの威力が予想より高かったせいで、あろうことか得物である小太刀二本を吹き飛ばされてしまった。

「チッ、世話の焼ける!」

クローを封じられたヴァンパイアは宙に飛んだ恭也の小太刀をキャッチすると、体勢がまだ整っていない恭也に振りかぶる。しかしそれは俺がゼロシフトで強引に間に入り込んで放った暗黒独楽で弾き返され、際どい所でヤツと恭也の距離を離すことに成功した。

「何をボサッとしている! 恭也!!」

「サバタか!? すまない、助かった!」

「キョウ、ヤ………? うっ!? うう……!!」

ヴァンパイアが恭也の名を呟くと、急に頭を抱えて苦しみだした。状況が親父の時と
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ