暗黒の戦士
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噂を聞いた事がある。確か日本独特の武器である刀、それを使って超人的な剣技を扱う人間のことを“SAMURAI”と言うらしい。という事は彼は伝説に聞く“SAMURAI”なのか?
いや、刀を使うのならばもう一つある。忍術と呼ばれる自然現象を巧みに操るという東洋の神秘“NINJA”だ。小太刀はむしろこちらの方が使い手が多いらしく、そういう意味では彼は“SAMURAI”では無く“NINJA”……いや、もしかしたら両方なのか? 詳細は不明だが……日本、奥が深いな。
「お姉ちゃん!!」
「すずか! 無事で良かった……怪我は無い!?」
「なのはの兄の恭也さん、でしたよね。すみません、ここまで助けに来てもらって」
「妹の友達の危機だから構わない。ところで、そこにいる少年が電話で言ってた……?」
姉との再会を喜んでいたすずかとアリサが頷いた事で、二人の視線がこちらに向いた。予想外に早かったがひとまず約束は果たしたんだ、さっさと話を終わらさせてもらおう。
「……名はサバタだ。あんたがこいつらの家族か?」
「アリサちゃんはともかく恭也も厳密にはまだ違うけど、すずかは私の妹よ。それとまず先に、妹達を助けてくれてありがとう。おかげで大事にならずに済んだわ」
「俺からも言っておこう、ここにはいないが妹の友人を救ってくれて感謝する」
「元より助けたつもりもない。さて、約束通りに知り合いが来るまで待ったんだ。おれはもう行かせてもらうぞ」
「あ、駄目よサバタさん、悪いけど今あなたを行かせるわけにはいかないの」
「すまないが月村家の秘密を知った可能性がある以上、お前にも来てもらわなければならないんだ」
「恭也、流石にそんなキツイ言い方じゃ誤解されるわよ」
「だが、警戒しておくに越したことはないだろう……!」
話がきな臭くなってきた。すずかは“しきたりがある”などと言っていたが、この流れは恐らくそれのせいだろう。だがおれにはそんな事情、どうでも良いのだ。
「おれの邪魔をするな。もし立ち塞がると言うのなら――――っ!」
瞬間、頭上から濃密な闇の気配を感じたおれは反射的に上に向けて暗黒ショットを放つ。同じように血の臭いを感じた恭也と言う男も飛針を同じ場所に投擲した。飛来してくる暗黒ショットと飛針に気付いた謎の影が余裕を持って避けて飛び降り、おれ達の前に着地した。見た目は黒いスーツ姿で顔を覆う覆面越しにただならぬ気配が漂い、血の通っていない青白い皮膚に、身に纏う濃厚な死の臭い。間違いない。
「なんだコイツは!?」
「気を付けろ。この男は……イモータルの眷属、ヴァンパイアだ」
「イモータル? ヴァンパイアだと!?」
「ヴァンパイア……! って事は、夜の一族以外にも吸血鬼がいたってこと…
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