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魔法少女リリカルなのは 絆を奪いし神とその神に選ばれた少年
第六話 護衛役と極上弁当
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「おはよう!」
「おはよう」
元気一杯な声が教室に木霊する。
見なくともわかる。なのは達が登校してきたのだろう。
全は一瞬だけ見ようとしたが動きを止めると、そのまま元の体勢に戻し読書を再開する。
読書に集中していると影が全を覆った。
「?」
全は何事?とばかりに窓側を見る。
そこには、アリサとすずかが立っていた。
「おはよう橘」
「おはよう、橘君」
挨拶をしてくるアリサとすずか。それに対し
「あ、ああ。おはようバニングス、月村」
多少どもりながらも挨拶を返す。
「お、おいバニングスさんと月村さんが橘に挨拶したぞ」「ああ、今まで自分から挨拶をする事はなかったのに」「何か心境の変化が?」
アリサとすずかが全に挨拶をした事で教室は波紋に包まれていく。
「あ、アリサ、すずか。そんな奴に挨拶するなんて……どうかしたのか?」
聖が心配してなのか二人にそう言うが
「いえ、ちょっとした気まぐれよ」
そう言ってアリサは自分の席に向かう。すずかも何も言わないがおそらくアリサと言いたい事は同じなのだろう。笑顔で自分の席に座った。
「おい、神楽院。お前、何かしたのか?」
─────またこれだよ……。
全は、もう本当に心底面倒くさいと思った。
昼休み。全の姿は屋上にあった。
というのも、弁当を出して食べようとしたら
『橘、ちょっと付き合いなさい』
アリサからそう言われて屋上に連れてこられた。
そこにはすずかもいたので、ますます全の頭には?マークが飛び交っていた。
「あんた、私達の護衛役になったんだって?」
何だ、その事か。と全は納得した。
「ああ、引き受けたが。悪かったか?」
「いや、悪くはないんだよ……でもね?何で引き受けてくれたのかなって思っちゃって……」
それを聞いて全は少し考える。
全自身の理由としては二人が無くしてしまった記憶の中にある約束を守る為というのもあるが、それは二人が知らない為にほとんど全の独り善がりな理由だ。
そんな理由では納得出来ない為、急いで別の理由を考える。
「いや、なぜか頼み込まれてな。それで根負けしたんだ」
全のこの理由は苦し紛れだったが間違いは言ってない。
「なるほどね……それじゃ、もう一つの疑問。あんた、パパ達とどこで知り合ったの?パパはあんたの事を信頼してるって言ってたから」
「……っ」
しまったといった感じの顔をする全。
確かにそこまで信頼しているのなら何かしらの理由があるだろうと考えるだろう。
「……言えない。言う事は出来ない」
「何でなの?
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