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タケミカズチ、抜錨します。
私に自沈願望はありませんから
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だ。あんな奴らの命令で沈没とかしたくない。


「ど、どんな司令官さんだったのですか?」
「戦場で艦隊としての面子ばかり気にして、殉職した将兵も数でしか知ろうとしない。そして、艦隊の受けた損害の責任を同乗していた艦長に押し付けようとする。そんな軍人としての矜持すら持たないクズだったわね」
「そ、それは何て言うか……」
「建御雷さん(?)も色々と苦労したんだね」
「総司令官以外の将兵は至ってまともだったんだけどね。でも、軍人は自分より上の階級の人間の命令には逆らえないから……。私の最期は艦長だけが残った状態で敵艦へ特攻。その途中で艦橋を破壊されて爆沈だったかな?
心中相手としては選びたくないけど、正直な話艦長より総司令官があの時死んでれば良かったと思ってる。……って、暗い話になっちゃったね」


種運命でのユウナの行動とタケミカズチの最期を説明すると、場の空気がお通夜状態になってしまった。どうにか空気を換えないと!


「取り敢えず、私に望郷の念とかは特に無いから、その点は気にしないで。というか、むしろ私の方からお願いします。あなた達の鎮守府に入れて下さい」


そう言いながら私はこれから仲間となってくれるであろう彼女達に頭を下げた。

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