クリスマスデート
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ートを誘おうかというのにもっと気の利いた言葉はなかったのか。いろいろ考えたが思いつかなかったのだ。時間切れで、ど直球になってしまった誘い文句になってしまったのだが、もっとスマートに言えなかったものか。
言われた美紅もどう対応していいのかわからない顔をしているじゃないか。
「ごめん、突然こんなこと言って。でも、クリスマスも近いし、普通の恋人はデートとか……するって言うし……」
健太は完全に動転している。
中1の頃からずっと見ているけど、美紅もこんな健太を見た記憶はなかった。
「広野君……無理してない?」
「無理なんてしてないしてない」
静かに応える美紅に完全にしどろもどろだ。
でも、健太の姿は真剣そのものだ。冗談をするタイプでもないし、冗談でやっているようにも思えなかった。
「うれしい……」
美紅の瞳から頬に一筋の涙がつたった。
「え、いや、今まで戦いとかで彼氏らしいことできてないからさ……」
健太は恥ずかしくなって頭をかいた。
美紅はアオイが健太を信じろと言っていたのを思い出した。
アオイは健太が何に悩んでいたのか知っていたのだ。
自分のことを思って、どうやって切り出せばいいのか不得意分野なのに必至に考えてくれていたのだ。
美紅は健太の手を握った。
「明日は楽しいクリスマスにしよっ!」
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