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ウイングマン イルミネーションプラス編
クリスマスデート
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形や大きさから考えると人間なのだが、そんなに頭部がLED電球のように光っているのだ。そんな人間がいるとは考えられない。
近寄ってみると姿形は人間だったが、その人の顔が発光してるのだ。
造形は人間のそれだが発光しているせいで完全にLED電球にしか見えない。
体は服によって大部分が遮断されているのだが、首元も光っているところを見るとも体全体が発光しているとみて間違いなさそうだ。
目撃者は驚いて腰を抜かしたが、正気を取り戻した後、好奇心から、その光る女の後を追いかけてみたが、時すでに遅し。その姿を見つけることはできなかった……
福本の話では、そんな目撃談が複数あるそうで、クラスではこの話が持ちきりになっていた。
普段ならそういった話にはすぐに話に首を突っ込んできそうな健太だったが、今日はそれどころではなかった。
頭の中はクリスマスデートのことで頭がいっぱいだった。

美紅をクリスマスにデートに誘う。
そんなに大したことないように感じられることなのに、どうやって誘えばいいのかわからなかった。
簡単なことのはずなのにすごく意味深な気がしてしまうのだ。
早朝のランニングや登校の最中にもいくつも誘うチャンスがあったが、特別が故にそんなところでさらっと言っていいはずもないと健太は考えていた。
日頃いつも一緒にいるせいで、逆にこういったことをいつ切り出していいのか見当がつかない。ただただ頭を悩ますことしかできなかった。

美紅はそんな健太を見て心配になった。
「大丈夫? 気分でも悪いの?」
そう言って体を気遣ってくれるが、まさかデートのことで悩んでいるなんて言えるわけもない。
「大丈夫だから、心配しないで」
健太はそうと応えるのみだった。
そうは言われても納得できるような様子ではなかった。
「どうしたのかしら?」
健太は新たな刺客に狙われても自分でなんとかできると思ったら抱え込んでしまう性格だ。
でも、それを無理やり聞き出そうとしても絶対に話してはくれない。美紅は健太が自分から話してくれるのを待つしかなかった。
「まずいことに巻き込まれていなければいいんだけど……」
美紅は心配になった。昨日まではそんなのことはなかった。
何かを避けられているような気もするが、もしかしてクラスで話題になっていた「光る女」関係があるのかもしれない。
ただ、健太を問いただしても教えてはくれないことはわかっている。美紅はアオイに相談してみることにした。



「光る女性」の話は桃子のクラスでも盛り上がっていた。
「光る女か……もしかしたらライエルが絡んでいるのかもしれないわ」
この前の戦いでもあまり戦力になれなかった。
桃子はそう考えて、自分の価値をアピールできていない気がしていた。
これは挽歌できるチャンスかもしれない。

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