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魔法少女リリカルなのは平凡な日常を望む転生者 STS編
第68話 限界を超えて………
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んだ。
「!?」
何か嫌な予感を感じ足元を見てみた。すると既に足元から魔力の槍が頭を覗かせていた。
(クレインやはり………!!)
戦う前に言っていた事は嘘だったようだ。今まで使っていなかったのを考えて確かにもう使い切る直前まで使っていたのかもしれない。だが、いざと言う時の為にちゃんと残していたのだ。
もう既に転移でも避けることが出来ないだろう。
コンマ数秒で俺を貫こうとする槍に俺の転移は間に合わない。
『零治!!』
遅く流れる時間の中、エリスの叫び声が耳に入った。
(ん?遅く………?)
遅く流れる時間に違和感を感じ、確認してみると、確かに俺を狙っていた槍は俺を突き刺そうと伸びてきていた。ただしそのスピードは遅く、難なく避けれる程のスピードだった。
(いや、違う!!)
この感覚に覚えがある。懸命に修行をし、未完成ながら魔力を使い、無理矢理強化した状態で使う、言わば劣化版神速と同じ感覚。
(だけど………)
俺は自分自身を魔力強化していなければ使えないし、神速を使う事すら頭に無かった。
(よく分からないがとにかく今は!!)
槍が向かってくる今の場所からずれる。これで槍に当たる心配も無いだろう。
「ん!?何故だ!!」
それと同時に神速状態が終わる。それによる負荷も今の状態の俺には感じない様だ。
(だからと言ってまた同じように神速を使うのは無理そうだな………)
死に向かう瞬間、反射的に身体が動いたのかもしれない。何にせよ命拾いした。
「どうして!!タイミングも完璧だったはず………何故、何故だ!!」
よほど信じられなかったのだろうか、そのうろたえ方は異常だった。
「神速だよ」
「神速だと!?今の君の状態で使える訳が無い!!」
「そうだな、俺自身もそう思ってたけど、死ぬと感じた瞬間に咄嗟に身体が反応したのかもしれないな」
「そんな根拠の無い答えに………」
「何でも根拠や答えがあるわけじゃ無い。お前は完全に見誤ったんだよ」
そう言うとクレインは悔しそうに後ずさる。俺を誘っている様にも見えたが、その引き方が明らかに怯えている様に感じたので本当に追い込まれているのだと思う。
「だ、だがこれで勝ったと思うな!!いくら精神が肉体を凌駕しようが、神速を限定的に使えようが、今私が纏う魔力の鎧を貫くとは出来ない!!後は君に起きているその謎の現象が終わるのを待てば私の勝ちだ!!」
確かに今の俺の攻撃じゃあの鎧を貫いて、クレインを倒す手立ては残されていない。
「いや………ある!!」
そう言うと俺は駆け出した。
「なっ………!?」
まさか直ぐに向かってくるとは思っていなかったクレインは反応に遅れてしまった。
「
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