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鎧虫戦記-バグレイダース-
第013話 脱獄のハトレイ
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へと向かって行った。

「全員を乗せて、体重ゼロのハトちゃんが
 翼で羽ばたけばよかったのね」

カツコがハトの手の中でつぶやいた。
セキレイ以外の3人は手の中に納められていた。
彼はハトの肩の上でただ待ち続けた。自由の瞬間を。

「そろそろ抜けるよーっ!」

ハトは手の中の3人に言った。
セキレイは目を大きく広げた。
そして、ようやくこの瞬間が訪れた。


「脱出ーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!」
「やったぁーーーーーーーーーーーーーーッ!!」














「もうそろそろいいか?」














「はっ!!」

少女は目を開けた。そこには雲一つない
すがすがしい青空が広がっていた。

「夢?‥‥‥‥けっこうリアルな夢だったなぁ」

そうつぶやきながら少女、マリーは身体を起こした。
草むらの上で寝転んでいたので、その痕が残ったままだった。

「‥‥‥‥‥‥‥‥あれ、アスラは?」

マリーはそう思い、周りを見回した。
少しして、木の影で寝ている少年、アスラを見つけた。
彼女はゆっくりとそこに寄って行った。
そして、その顔を覗き込んだ。口から少しよだれが垂れていた。

「‥‥‥‥アスラの寝顔、とってもカワイイ♪」

普段から腰に日本刀を帯びており、片時も離さない程
戦う意思の強さを持っているが、寝顔は正に無邪気な少年そのものだった。
マリーはアスラの頬を指でつついた。

「‥‥‥‥‥‥起きない」

いつから寝ていたかは思い出せない。
だが、太陽がそれほど傾いていないということは
あまり大した時間は経っていないのだろう。

「ふあぁ〜〜っ‥‥‥‥もう一回お昼寝しようかな」

そう言って、彼女はアスラの隣に寝転んだ。
彼の顔をまじまじと見た後に目を閉じた。
まだそこにいるであろう人に向かって声をかけた。

「おやすみ、アスラ」

そのまま彼女はすやすやと寝息をたて始めた。
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