第013話 脱獄のハトレイ
[9/9]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
へと向かって行った。
「全員を乗せて、体重ゼロのハトちゃんが
翼で羽ばたけばよかったのね」
カツコがハトの手の中でつぶやいた。
セキレイ以外の3人は手の中に納められていた。
彼はハトの肩の上でただ待ち続けた。自由の瞬間を。
「そろそろ抜けるよーっ!」
ハトは手の中の3人に言った。
セキレイは目を大きく広げた。
そして、ようやくこの瞬間が訪れた。
「脱出ーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!」
「やったぁーーーーーーーーーーーーーーッ!!」
「もうそろそろいいか?」
「はっ!!」
少女は目を開けた。そこには雲一つない
すがすがしい青空が広がっていた。
「夢?‥‥‥‥けっこうリアルな夢だったなぁ」
そうつぶやきながら少女、マリーは身体を起こした。
草むらの上で寝転んでいたので、その痕が残ったままだった。
「‥‥‥‥‥‥‥‥あれ、アスラは?」
マリーはそう思い、周りを見回した。
少しして、木の影で寝ている少年、アスラを見つけた。
彼女はゆっくりとそこに寄って行った。
そして、その顔を覗き込んだ。口から少しよだれが垂れていた。
「‥‥‥‥アスラの寝顔、とってもカワイイ♪」
普段から腰に日本刀を帯びており、片時も離さない程
戦う意思の強さを持っているが、寝顔は正に無邪気な少年そのものだった。
マリーはアスラの頬を指でつついた。
「‥‥‥‥‥‥起きない」
いつから寝ていたかは思い出せない。
だが、太陽がそれほど傾いていないということは
あまり大した時間は経っていないのだろう。
「ふあぁ〜〜っ‥‥‥‥もう一回お昼寝しようかな」
そう言って、彼女はアスラの隣に寝転んだ。
彼の顔をまじまじと見た後に目を閉じた。
まだそこにいるであろう人に向かって声をかけた。
「おやすみ、アスラ」
そのまま彼女はすやすやと寝息をたて始めた。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ