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俺が愛した幻想郷
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第十五話 綺麗な物には棘がある
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る前にカゴに入れて置いた。恐らくあのカゴは脱いだ服を入れるカゴなのだろう。洗ってくれるかな
昨日も通った道を歩く。言った通り、今日も博麗家にお邪魔するつもりだ。右側にあの真っピンクな看板が見え、左の草むらへ入って行く
昨日通った時は暗くてあまり見えなかったが、この森は結構深いものであった。奥が見えないくらい木々が重なっている、それくらい深いのだ。まぁ、あの時間帯であそこまで暗くなるんだ、これだけ深い森でも可笑しくない。そもそも何故今それを言うか...
昨日は暗くて良く見えなかったため、周りをきょろきょろと見回して歩いた。すると、綺麗に光る玉を見つけた。その場に落ちているわけではない、飛んでいる、浮いているのだ。なんだあれ?と呑気に見ていると、その綺麗に光る玉は幾つも、そこら中を飛んでいる、と言うことに気が付いた。俺の辺りを飛んでいる。風に流されているのか?いや、わからない、玉が飛んで行く方向に風など吹いていないからな。これだけの量が飛んでいるのだ... 誰かが大量生産して飛ばしているのだろう。玉が幕のようになって飛んで行く... そうだな、弾幕と言ったところか? それにしてもあれ、何で出来ているのだろうか? そんなことを考えていると、悟ったかの様に玉が俺の前を飛んで俺に向かって来たのだ。そんなに速度が出ているわけでもない、ふわふわとホコリのように飛んでいるので掴むことはできる。よく見ると大きさも色々あるみたいだ。俺に近づいてくる玉は中でも小さい方だ。ん〜... 指二本で摘めるくらい。なんて親切な玉なのだろうか。橙もこの玉の親切さを見習って欲しいものだ...
手が届くところまで飛んで来た玉に、ゆっくり、手を伸ばし、近づける。人差し指と親指の間に適度な空間を作り、その空間に玉が来るよう図った。そして、摘む。すると、玉は... ボフッ!! と言う音と共に消え... 「...っ....いっ.......てぇぇぇぇえ!!」痛みを"僕"に届けたのだ
"橙が"玉を見習うのではない... "玉が"橙を見習っていたのだった。なんと言うか、思いっきりビンタされたみたいな... 相撲レスラーやプロレスラーにビンタされたみたいな(されたことはないけど)そんな痛みだった。ヒリヒリする。こんなのが幕の様に飛んでいるのだ、死にはしないとしても、失神くらいはするんじゃなかろうか?
こんな綺麗な、色とりどりの玉に重い痛みを感じさせられるなんて... 綺麗な物には棘があるとはこのことなのだろう
それにしてもホント、誰がこんな玉を飛ばしているのだ。まぁ、この流れだと博麗ちゃんか霊夢なんだよなぁ〜 だってこの玉、行き先(博麗神社)から飛んで来てるんですもの
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