第5部 トリスタニアの休日
第1章 情報収集任務
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文句を言おうとしたが、ウルキオラの手がそれを許さない。
ウルキオラは壁から顔を半分出し、曲がり角の向こう側を覗き込んだ。
一人の少女と二人の巨漢が視界に入る。
どうやら、ここで間違いはなさそうだ。
巨漢の二人は、マントをつけていないことから平民であると伺えた。
視線を一人の少女に向ける。
驚く。
黒髪で黒い瞳……。
シエスタと同じ、日本人を思わせた。
一人の少女が、塀に追い込ませている。
強姦魔だろうか?
ウルキオラはルイズにここにいろ、と言い残し、巨漢の後ろへと響転で移動した。
いきなり現れたウルキオラに、少女は驚いた顔をした。
そんな少女の表情を見て、巨漢二人も振り向く。
「なんだ、てめーは!」
一人の巨漢が拳を振り上げた。
それがウルキオラの胸に当たる。
ドガっと殴打音が響く。
しかし、ウルキオラは全くの無反応である。
殴った巨漢の一人は拳を抑えて、地面をのたうちまわっている。
体全体に霊膜を張り巡らせていたので、ヒビくらいは入っているだろう。
もう一人の巨漢が舌打ちをしながら、のた打ち回っている巨漢を支えるようにして足早に去って行った。
そんな様子をじっと見つめていたルイズは、ウルキオラの前に飛び出し、少女に寄り添った。
「大丈夫?」
少女は緊張が解けたのか、がくっと地面にへたり込む。
「はぁ、助かったわ。あなたとっても強いのね」
少女はウルキオラを見つめて言った。
「ありがとう。私はジェシカ。そこの酒場で働いてるわ。お礼がしたいの。一緒に来てくれるかしら?」
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