暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜神話と勇者と聖剣と〜
ワールド・カタストロフ〜クロスクエスト〜
Round《1》〜スタート・オブ・カタストロフィング〜
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 その日。SAO経験者たちの元に、一枚の招待状がばらまかれた。

『デュエル大会やるぜよ。やりたい奴カモン』

 仮想世界の戦闘狂どもは沸き立ち、当日には用意された結晶を使い、ホームとしているVRMMO……多くのプレイヤーが《アルヴヘイム・オンライン》である……から専用のフィールドへとダイブした。

 このデュエル大会の裏に、一体何が存在しているのかを、知りもせずに――――


 ***


 ワールド・カタストロフ〜クロスクエスト〜

 
 ***

 
 SAOにおいて、《タツ》というプレイヤーネームを名乗っていた青年は、今現在今一よく分からない状況に眉をひそめていた。

 タツの本業は《神》である。ギリシアの主神《ゼウス》の系列に連なる天空神系統主神の属性を持った、全知全能の神のうちの一人だ。

 だがしかし、水晶宮の戦神(オーディン)が、魔剣の覇王に知恵比べで敗北した様に。

 普遍的な『神々の王』(ヤハウェ)が、自らの血族(バァル)の生存を悟れなかったように。

 この全知全能の青年にも、やっぱり理解できないことはあったのである。

 そう――――目の前で、にこにこ手を振っているカソック姿の青年という、奇怪な存在の事を。

「……誰ですか、あなたは」
「僕かい? そうだなぁ……通りすがりのチーターさ」
「ふざけないでください」
「ふざけてないよー……まぁ、正直なこと話しちゃうと、このデュエル大会の主催者さ」

 そう言って、青年は肩をすくめる。はりついたドヤ顔が異常に腹立たしい。基本的には感情に疎いタツだが、この男はどうも許せなさそうである。

 発作的に、能力を使ってしまった。

「『お前は死んだ』」
「おっと。【僕」「は」「死なない】」

 カイン、と金属のような奇妙な音を立てて、タツの異能――――《真実の言霊》が弾かれる。あらゆる防御機構をぶち抜き、絶対の効能を及ぼすはずの能力が、だ。
 
 師たるギリシアの天空神、ゼウスより賜った、あらゆる事実を記録し、全てを己のモノとし、その本来の使い手を無効とする《全知全能》のスキルをも、この男は無効としたのだ。

「覚えておくといいよ。『正直者』は時に『大?吐き』よりもなお達が悪いのさ。僕の権能――――なのかな? はね。キミ達『創造された者』の干渉を受け付けない」
「それすらも無効化される筈」
「甘いね。神々ですらあくまで人の創造物でしかない。厳然たる『人』である僕は、『神』であると同時に被造物たりえないのさ」
「……意味が解りません」
「分からなくて結構。分からせるつもりがあって言っているわけじゃぁないしね。それに、僕はキミが気に入った。実に気に入ったよ、茅場辰鳴」

 己の、人の名前を知っ
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