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魔法少女リリカルなのは 絆を奪いし神とその神に選ばれた少年
第五話 懐かしき再会
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学校が終わり、全の足は月村家に向かっていた。
以前にも、一度だけ月村家に来た事はあったので迷う事はなかった。
月村家に到着すると、門の前にメイドが一人立っていた。
「お待ちしておりました、全様」
「全様ってのはよしてくれ。そういうのは俺には合わない」
「しかし、全様は二度に渡ってお嬢様を助けてくれました。ですので、変える気はありません」
「……はぁ、わかりました。どうぞ、好きに呼んでください」
全は諦めたかのように両手を上げる。降参のポーズだ。
「わかりました。以降も全様と呼ばせていただきます。それでは、忍様がお待ちですので。恭也様もお待ちです」
「わかりました」
そう言って全は迷う事なくメイドさん……ノエルの後をついていく。
そうして全は屋敷の中に足を踏み入れ、ノエルは一室の前で足を止める。
「この中で忍様方がお待ちでございます」
「……………」
全は無言で扉の取っ手に手をかけて、ゆっくりと扉を開ける。
中で待っていたのはノエルに言われた通り、椅子に座っている月村忍とその隣に寄り添うように立っている恭也だった。
「待っていたわ全君」
「ああ、本当に待った」
そう言って恭也はゆっくりと全に近づいて……全の頬を殴った。
「っ!」
全はその殴打をわざと喰らった。自分にはその殴打を受ける責任があると思ったのだ。
「あの後、お前の事を忘れるまで、なのはは……なのははずっと泣き続けていた。ある時から泣かなくなり、しきりに知らない人間の事を話すようになった……」
「あの時ほど、後悔した事はなかったよ……お前からの忠告を俺は甘くみていた……」
「それは私も思ったわね」
忍と恭也は本当に全の事が心配だったのだ。
「あの時……お前から説明された記憶削除の対象外になる方法、お前から全ての真実を聞くこと……」
そう、それこそが全の内に巣食う神からの記憶削除を受け付けないようにする唯一の方法。
その存在を認知し、頭の記憶を管理する部分にプロテクトを作っておく。全の内に巣食う神がいる、という事実を知っていれば自動でこのプロテクトは作成され、以降どんな方法をもってしても神はこのプロテクトを破れない。
だからこそ、今でもこうやって忍と恭也は全と過ごした記憶を覚えているのだ。
「俺たちはそれを聞いて後悔はしないと言ったが……正直、何度も挫折しそうになった……」
「それでも……また、お前と出会える日を待っていた。こんな形で、再会はしたくはなかったがな……」
恭也はすまない、と言って元いた場所へと戻る。
全も立ち上がり、席に座る。
「急にすまんな……どうしても、俺たちに黙って去っていった
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