暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epico10-Bシュテルンベルクの騎士〜Perceval & Tristan〜
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ーショットで描いてほしいって騒ぎになったりしてな」

「ヴィータもちゃっかりオーディンの背中に覆い被さるようなポーズで描いてもらっていたじゃないか」

「あ、あれは、その・・・悪ぃかよ。あたしだって、オーディンと2人だけで描いてほしかったんだよ」

脹れっ面になりながらも照れるヴィータに、「あはは、すまない、意地悪をしたな」アインスがそう謝りながらヴィータの頭を撫でた。

「シュテルンベルク家の家宝ですよ。しかし残念ながら現存しているのはそれらだけなんです。本当は皆さんそれぞれの絵画があったようなんですが、ベルカ崩壊時に喪失してしまって・・・」

コーヒーと何種類ものクッキーの準備をトリシュとしていたパーシヴァルが悔しそうに説明してくれた。確かに俺たち1人ずつの絵も描いてもらったよな。しかしそうか。失われたんだな。だが不幸中の幸いとも思う。残っているのが1人だけが描かれた絵ではなく、2人以上が描かれた集合絵であるというのが。

「――準備が出来ましたので、どうぞこちらへ」

それから少し絵を眺めて思い出に浸った後、応接室中央に設けられた楕円形の足の短いテーブルを囲うソファに座り、クッキーとコーヒーを頂く。はやてとリインはミルクと砂糖を入れたのちに口に含み、「美味しいです♪」と頬を緩ませた。シャルは「うん。相変わらず美味しい」と褒め、そしてシグナム達は「これは・・・!」口に含んだコーヒーに目を見張った。

(このコーヒーの味は・・・!)

そういう俺も、その味わいに驚いた。今でもハッキリと思いだせる独特のうま味や風味。驚きを顔には出さないように努め、シグナム達の反応を先行させる。

「やはりお判りですか? このコーヒー、シュテルンベルク家専属のメイドが淹れてくれたんですよ。・・・うん、今日も美味い」

「イリスのフライハイト家のように、シュテルンベルク家にも古くから連なってくれる方たちがいるんです」

パーシヴァルとトリシュもコーヒーに舌鼓を打つ。トリシュの話を聞いたヴィータが「おい、まさか・・・!」表情を輝かせながら反対側のソファに座るパーシヴァルとトリシュへと身を乗り出した。

「アンナ・ラインラント・ハーメルン。モニカ・クラジウス。ルファ・オートクレール。御存じですか?」

「ええ、もちろん♪」

「我々も大変世話になった少女たちだ」

「まさか現代でもアイツらの子孫が居んのか!?」

「今でも会えるのだろうか!?」

食い気味に反応するシグナム達に、当時を知らないはやてとリインとシャルは呆然として、俺は俺で溢れ出て来る懐かしさの感情を押さえ込むことに必死になっているため俯いたまま。

「はい、お三方の子孫も現代に居ます。そして、このコーヒーを淹れてくれたのが、当家自慢のメイドで
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