1転生者
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ん! どうして!?」
「あれぇ〜? 人払いの結界を張ってたんだけどなぁ? なんでここにいるのかなぁ? まぁ、見たんだから死んでね」
ボンテージ姿となって、露出した夕麻ちゃんの肩を両手で掴んで、視線を合わせるように夕麻ちゃんの瞳を見るが、夕麻ちゃんは俺を石や草なんかにしか思っていないのか、特に気にした様子もなく、話を聞く気もないと言わんばかりに光の槍を向けてきた。
グサッ……!
夕麻ちゃんが持っていた光の槍が刺り俺の腹を貫く!
俺は死を覚悟したなよ
「ごふっ……!」
途端に口の中に鉄の味が広がり、目が霞み始めた。
「ふふっサヨナラ」
次会ったら覚えてろ!会えたらけどね
◆
<イッセー>
俺の人生でもっとも幸せな時間……、初めて出来た彼女とのデートの時間……。
デートの最後を飾る夕焼けの公園で、俺は彼女から頼まれた……。
『死んでくれない?』
と、夕麻ちゃんが今まで見せていた笑顔が、冷たいものに変わり、背中から黒い翼が生えたかと思ったら、いきなり腹に熱さを感じた。
そして俺は地面に倒れ、夕麻ちゃんに刺されたんだと理解した。
俺が夕麻ちゃんを霞んだ瞳で見上げると、ヤマトが現れ、夕麻ちゃんに詰め寄った。
こいつ尾行してたのか。と思っていたら次の瞬間。今度はヤマトが光の矢で貫かれ、夕麻ちゃんに寄りかかった。
たぶん即死したんだろう。ヤマトは夕麻ちゃんに寄りかかったまましばらく動かず、夕麻ちゃんが動き出すと、支えを失ったように地面に倒れ堕ちた。
ああ……、すまねぇな、ヤマト。まきこんじまって本当に悪かった……。
再び、空を見上げる。……そして俺自身にも死が近づいていることを感じる。
そして、手のひらについている赤い……、紅い血を見つめて思う……。
紅い髪をしたあの美人。学校で見かけるたびにあの紅い髪が俺の目には鮮烈に映った。
……どうせ死ぬなら、あんな美少女の腕の中で死にたいなんて思ってしまう……。
ああ……、視界がボヤけてくる……。
いよいよラストか……。
……生まれ変われるなら、俺は……。
「あなたね、私を呼んだのは」
突然、俺の視界に誰かが映りこみ、声をかけてくる。
目がボヤけてしまっているせいか、もう誰かすら分からない。
「死にそうね。傷は……へぇ、おもしろいことになっているじゃないの。そう、あなたがねぇ……。本当、おもしろいわ」
クスクスと興味ありげな含み笑い。
……何がそんなにおもしろいんだろうか……?
「どうせ死ぬなら、私が拾ってあげるわ、あなたの命。私のために生きなさい」
意識
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