第4部 誓約の水精霊
最終章 悲しみの対決
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魔法が飛び交う中、タバサとキュルケは顔をしかめた。
倒せないのである。
アンドバリの指輪で復活した彼らに死という概念はない。
故に、倒せないのである。
少しずつ、ルイズたちは追い詰められていく。
いつの間にか、ルイズたちを囲むようにして円陣を組んでいた。
防戦一方に追い詰められていたのだ。
敵の数は多く、攻撃に隙がない。
ウルキオラを見る。
アンリエッタとウェールズの連携に苦戦を強いられているようだ。
ただ殺すだけなら簡単なのだが、殺してはいけないというのは難しいのである。
わずかな攻撃の間隙をぬって繰り出されたキュルケの炎球が、一人のメイジを燃やし尽くした。
「炎が効くわ!燃やせばいいのよ!」
キュルケの炎が、立て続けに繰り出される。
タバサはすぐに攻撃をキュルケの援護に切り替えた。
キュルケめがけて飛んでくる魔法を、氷の魔法で相殺する。
なにせ、氷の槍で刺しても、相手はすぐに回復してしまうのだ。
暫くすると、キュルケの魔法ですべてのアルビオン貴族が焼かれた。
「やったわ!倒せたわよ!」
ぽつぽつと、頬に当たるものを感じた。
雨である。
どうやら、天はルイズたちの味方らしい。
「危なかったわね…あともう少し遅かったら炎が効かないところだったわ」
「そうね」
ルイズが空を見上げた。
巨大な雨雲が、いつの間にか発生していた。
刹那、巨大な風がルイズたちを襲った。
「な、なに!」
キュルケが喚く。
どうやら、ウェールズとアンリエッタの側で発生したらしい。
驚愕する。
「これは……」
タバサとルイズも唖然としている。
アンリエッタの『水』、『水』、『水』、そしてウェールズの『風』、『風』、『風』。
水と風の六乗。
これは王家のみに許されたヘンタゴン・スペル。
四つの要素を足して発動するスクウェア・スペルの二つ上。
詠唱は干渉しあい、巨大に膨れ上がる。
二つのトライアングルが絡み合い、巨大な六芒星を竜巻が描いて、ウルキオラに襲い掛かる。
「ウルキオラ!」
ルイズが叫ぶ。
あれは、さすがのウルキオラでも無理だ。
津波のような竜巻。
この一撃をまともに喰らえば、城でさえ一撃で吹き飛ぶだろう。
ウルキオラは目を見開いた。
まさか、これほどの魔法が存在しているとは思わなかった。
黒崎一護の虚化状態の月牙を思わせる。
ものすごいうねりを上げて、ウルキオラに突進してくる。
衝突。
ウルキオラは右手で受け止めた。
しかし、受け止めきれず、肘が徐々に曲がってくる。
顔を
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