第4部 誓約の水精霊
最終章 悲しみの対決
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は……さすがは虚といったところかな?」
ウェールズは笑みを崩さずに言った。
ルイズはキッとウェールズを睨んだ。
操られているとはいへ、許せるはずもなかった。
「だが、君のような強者の腕を一本落したんだ。いいとしよう」
ウェールズは言った。
「腕を一本、落しただと?」
ウルキオラはじろっとウェールズを見た。
「ああ。まあ、正直、生きていること自体が信じがたい…が……ね」
ウェールズは言葉を失った。
ウルキオラの腕が、右腕が存在しているのだ。
「なん…だと…?」
ルイズとタバサ、キュルケも驚いている。
ウルキオラは新たな自らの右腕の感触を確かめるように、握ったり開いたりしている。
「俺の能力の最たるものは、攻撃でも、防御でも、スピードでもない」
「なに?」
ウェールズは怪訝な顔をした。
「……再生だ」
「再生…だと?」
「そうだ。強大な力と引き換えに、超速再生能力の大半を失う、俺たち破面の中で、俺だけが唯一、脳と臓器以外の全ての体構造を超速再生できる」
その場にいる全ての者が驚愕した。
ウェールズも言葉を失ったのか、目を見開いたまま、微動だにしない。
「お前らが何故、あのような強力な魔法を使用できたのかはわからんが、いくらお前らの魔法が強かろうと、一撃あてて様子を見るようでは、俺を殺すことなど、不可能だ」
ウルキオラは、人差し指をウェールズに向けた。
ウェールズは、即座に魔法を放とうとしたが、ウルキオラの方が速かった。
「縛道の六十一、六杖光牢」
刹那、ウェールズの腹に、六つの光の板が突き刺さった。
「ぐ、なんだ、これは!」
必死に体を動かそうとするが、板が邪魔して身動きが取れなかった。
「いくら死なないとはいえ、動きを封じられれば、どうすることもできまい」
ウルキオラはそう吐き捨て、ルイズに向き直った。
「やれ、ルイズ」
「え?」
いきなり呼びかけられたので、何を言っているのかわからなかった。
「魔法を詠唱していただろう。それをウェールズに向けて放て」
「う、うん!」
あまりの驚くべきウルキオラの能力に、ルイズは先ほどまで、詠唱していた魔法を思い出した。
言われるがままに、頭の中に流れ込んできた魔法を放った。
「解除!」
杖を振り下げ、ウェールズめがけて振り下ろした。
アンリエッタとウェールズの周りに、眩い光が輝いた。
すうっと、隣に立ったウェールズの体が地面に崩れ落ちる。
アンリエッタは駆け寄ろうとしたが、消耗しきっていた精神力のおかげで意識を失い、地面に倒れた。
辺りは一気
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