第4部 誓約の水精霊
最終章 悲しみの対決
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顰めた。
ポケットから左手をだし、すぐさま竜巻を止めようとした。
しかし、竜巻はウルキオラの想像を遥かに超えた威力を持っていた。
ウルキオラが後じ去る。
「くそ……」
そう小さく呟いた途端、ウルキオラは竜巻の中へと飲み込まれた。
「ウルキオラ!」
ルイズはウルキオラが竜巻に飲み込まれていくのを見て、悲痛の叫びをあげた。
未だ巨大な津波のような竜巻が、ごうごうとうねりを上げて天を衝かんばかりに巻き上がっている。
キュルケとタバサは呆然と立ち尽くした。
あのウルキオラが負けたのだ。
あのウルキオラがである。
これほどの魔法である。
生きているはずはない。
魔法を発生させたアンリエッタ自身も、自らの手で、自分とトリステインを救ってくれたウルキオラを殺してしまったという自責の念にさらされているようだった。
「あ、ああ…」
ルイズはウルキオラが立っていた場所を見つめながら、呆然と立ち尽くしていた。
竜巻は、徐々に勢力を後退させている。
ルイズの中で、どす黒い何かがうねりを上げた。
頭の中に記憶にない呪文が流れ込んでくる。
ルイズはウェールズとアンリエッタを睨んだ。
そこには、既に正気は見られなかった。
ウェールズはしてやったというような顔をしている。
謳うようなルイズの詠唱が雨音に混じった。
今のルイズには、ただウルキオラの仇を取るという感情しかない。
己の中でうねる精神力を練り込む。
頭の中にあるルーンが、次から次へと口から吐き出させている。
「この子、どうしたの?」
キュルケが怪訝な顔でタバサに尋ねる。
しかし、タバサもわからないのか、首を横に振った。
ルイズの詠唱が完成する。
ウェールズに放ち、すべてを終わらせようとした瞬間、竜巻が巻き上げた土埃の中から、聞きなれた声が聞こえた。
「やれやれ、両手を使っても止めきれんとはな……正直、驚いた」
ルイズはがばっと振り向いた。
「ウルキオラ!」
生きていたのだ。
目に涙が滲んだ。
タバサとキュルケも驚いている。
ルイズがウルキオラに駆け寄る。
しかし、すぐに歩みを止めた。
驚愕する。
土煙が晴れ、ウルキオラの姿がだんだん鮮明に見えてきたときであった。
ウルキオラの右手の肘から下が、なくなっていたのだ。
「ウ、ウルキオラ……あんた、う、腕が……」
傷口kら生々しい赤い塊が、滴り落ちている。
血の湖が、形成されている。
服もいたるところがボロボロになっており、胸に開いた穴が露わになっている。
「まさか、あれだけの魔法を食らって腕一本と
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