この世界での目標
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う。
「ラウ姐なら、迷いなく開けるだろうなぁ。そのまま部屋の中に突っ込んでいこうとして、リオンさんに止められて・・・」
もうあの二人はいない。理解はしていても、受け止められてはいない。これもラウ姐が仕込んだサプライズなのではないのか?あの時からもうかなりの時間が経っているのに、そんなこと考えてしまう位だ。未だにあの二人は俺の中に大きく存在している。
「やめやめ、こんなのガラじゃない」
ネガティブになってきた思考を無理やり中断し、もと来た道を戻り始める。頭の中で最短ルートを確認し、何度かショートカットを駆使しながら進んでいると、不意に前方から足音が聞こえてきた。
一人二人ではなく、多人数。それもかなり統制がされている音だ。不審に思って一度立ち止まり、索敵スキルをかけてみると、なんと二列縦隊でこちらに向かってくる十二人の集団を捉えた。
現在の最前線組では、まずこの人数では来ない。ボス戦は別として、ワンパーティで来るのが普通だ。次にこの隊列。実を言うとこの二列縦隊はあまりよくない。前方への対策はしやすいが、後方がおろそかになる。つまり、今こちらに向かって来ているのは、有名所のギルドではないだろう。少しだけ警戒心を高めながら、いくつか候補を考えていると、あちらの姿が視認できた。
「うぇ・・・軍じゃん」
集団の正体は、ある意味誰もが知っている存在だった。第一層を本拠地に構える、最も最大のギルド、《軍》。元々は、一番初めに100層攻略を謳ったギルドだったが、25層の時に甚大な被害を受けてもう今では最前線に出て来ることはないと思っていたのだが・・・。
こちらを発見した軍の連中の中の一人、多分リーダーであろう奴が合図を出して周りを休ませると、こちらに近づいてきた。
「私はアインクラッド解放軍所属、コーバッツ中尉だ」
「アインクラッド解放軍?《MTD》じゃなかったのか?まあいいや。レイト、ソロだ」
軍というのは他のプレイヤー達が勝手につけた名称で、元々は《MMOトゥディ》、略してMTDだったはずだ。俺の言葉は無視してコーバッツがさらに聞いてくる。
「君はもうこの先も攻略したのか?」
「いや、ボス部屋の前まで行って戻ってきたところだ。あんた等みたいに、戦闘はほとんどしてない」
後ろで休んでいる軍の連中は、皆それぞれ疲弊した表情を見せていた。いくらレベルは高いといっても、実践での緊張感は別物か。ましてや、いつもとは違う最前線なんてのは。
「では、そのマップデータを提供してもらいたい」
「は?・・・・なぜ?」
「我々に君たちプレイヤーが協力するのは当然の義務だ!」
うーん、ここまで来ると傲岸不遜ぶりも見事というか。とはいえ、人がコツコツやってきたマッピングを渡せと。若干イライラして
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