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IS 〈インフィニット・ストラトス〉 〜運命の先へ〜
第19話 「双武の鬼神」
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撃しようと拳を振り上げる《ゴーレムI》だったが、振り下ろすよりも先に零が懐に入り込んだ。腕が異様に長い《ゴーレムI》は距離を詰められると却って腕が役に立たない。すぐさまもう片方の腕で振り払おうとするが、零はその一言と共に《ゴーレムI》の四肢を切り刻んだ。ダルマ状態になった《ゴーレムI》に退屈そうに刃を突き立てる零。その光景に鈴は唖然とした。

(嘘でしょ!?あんな化け物をあっさり倒しちゃうなんて・・・。)

もはやプライドなど関係ない。目の前の男の強さを身に染みて感じていた。しかし、零からすればこれは戦いですらない。遊戯のレベルでしかないのだ。

「あと3機。」

零はハイパーセンサーを利用して背後に迫る6本のビームを回避、空高く飛翔し、3機の《ゴーレムI》全てを視界に入れられる位置へ移動する。

「換装。『月詠』展開。」

その声に呼応するように機体色は漆黒から純白へと変貌し、両腕の近接ブレードは大型のバスターライフルに変わる。『素戔嗚』と対をなす射撃戦特化パッケージ『月詠』。《武神》のもう一つの姿である。

「『滅却』チャージ開始。目標、敵IS全機。」

間断なく襲う無数のビームを一切姿勢を変えずに回避する。トップクラスの狙撃手でも、スコープを覗いた体勢のまま照準を変えずに敵の攻撃を回避し続けるのは至難だろう。

「出力50%。充分だな。」

ポツリと呟いた零の言葉を合図に、IS2、3機程度なら優に覆えるほどの巨大な熱線が放たれる。その破壊光線は地面を抉り、アリーナの半分をクレーターに変える。

「流石はAI、動きが単純だな。」

土煙から飛び出した《ゴーレムI》2機の頭部が撃ち抜かれる。一撃必殺の決戦兵器である『滅却』を敢えて囮に使った零は、回避を前提として瞬時加速で接近、両腕に装着されたビームボウガン『煌閃』を零距離で発射したのだ。

「ほい、ラスト。」

鬼のような追撃はまだ終わらない。勢いをそのままに彼は『素戔嗚』に換装して大鎌『影刈』を展開、残りの1機の首を刈り取った。黒に染まるその姿は死神を彷彿とさせる。

「つまんね。このまま墜とすか・・・。」

視覚を失った『ゴーレムI』たちは彼にとって障害物にすらなり得ない。彼は『影刈』を振るい『ゴーレムI』の四肢を切断、文字通りダルマ状態に仕上げる。本来ならコアを破壊して完全に機能停止に追い込みたいところだが、今の彼にはそれは出来なかった。

「これで良いですか、織斑先生?」
『問題ない。ご苦労だったな、神裂。』

千冬に研究用に捕獲するように命令されていたのだ。独り言が多かったのは理性を保ち人格の変化を防止するため。自分の中途半端な戦果に不満そうな表情を浮かべる彼だったが、千冬の命令に逆らえるほどの度胸はまだ持ち合わせていな
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