第三章
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「やってやるぜ」
「そうか、カジノか」
「じゃあそれでやってみろよ」
「何か出来るんだらな」
「それに越したことはないからな」
「ああ、やってみるな」
こう応えてだ、そしてだった。
ジェロニモは店を両親に任せて自分の持ち合わせの金だけ持って身一つで居留地を出た、そしてだった。
ラスベガスに渡りだ、まずは。
そのギャンブルの才能を生かしてだ、持ち合わせの金を増やした。生来そうしたことに強い彼はあっという間にかなりの金を得た。
「あんた強いな」
「また勝ったな」
「今日勝ちっぱなしだな」
「もう相当儲けただろ」
「ああ、博打は何でもな」
コインの山を前にしつつだ、ジェロニモはギャラリーに応えた。
「強いからな」
「それでか」
「あっという間にそれだけ稼いだのか」
「もう一生食えるだけの金あるんじゃないのか?」
そこまで稼いだというのだ。
「凄いなあんた」
「凄い運だな」
「それか博打の才能があるかどっちかか」
「どっちにしても凄いな」
「いや、これだけあってもな」
まだとだ、ジェロニモは言うのだった。
「まだ足りないだろうな」
「おいおい、もう一生食えるだけあるだろ」
「それでもか」
「それでもまだ金が欲しいのかい?」
「ひょっとして事業でもするのかい?」
「その資金でも稼ぐつもりかね」
「ああ、そう考えてるんだよ」
実際にその通りだとだ、彼はまたギャラリーに答えた。
「だからな、もっとな」
「金が欲しいか」
「そうなんだな」
「もっと稼いでやる、ただし俺はイカサマはしていないからな」
このことを断ることも忘れなかった。
「だからな」
「じゃあまだか」
「まだまだ稼ぐんだな」
「そうするさ、山みたいな金を手に入れてやる」
燃える目で言ってだ、そのうえで。
彼は実際にギャンブルを続けた、ポーカーにルーレットにドッグレースにバカラにとだ。スリーセブンもどんどん出した。
そして一年程荒稼ぎをしてだ、その金を持ってだった。
彼は居留地に戻ってだ、こう言った。
「金持って来たぜ」
「おいおい、一年でか」
「もう稼いできたのか」
「カジノ開く金を」
「それをか」
「それとカジノ以外の場所もな」
ジェロニモはにやりと笑って持ち前の商才も出した。
「用意しないといけないからな」
「その為の資金もか」
「稼いできたのか」
「ああ、博打でな」
それで、というのだ。
「稼いできたぜ」
「カジノ以外の場所っていうと」
「カジノの周りの店か」
「そうした店もか」
「用意するんだな」
「ああ、そうだよ」
実際にというのだ。
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