第六章
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真宙はその顔を強張らせてだ、佑樹に言った。
「僕達の思った通りだったよ」
「赤軍派とか裏にいたのかよ」
「うん、原発とかね」
「そうだったんだな」
「何かそこから色々動こうとしているみたいだよ」
「環境なんてな」
それこそだ。
「誰だって賛成するからな」
「そう、僕達みたいにね」
「環境保護が悪い筈ないからな」
「そこでね」
そのまさにだ、『悪い筈がない』ことに入り込んでなのだ。
「自分達の目的を達成しようっていう」
「連中が入っていたんだな」
「だから慰安婦とか参政権とか」
「色々言ってたのか」
「そういうことみたいだよ」
真宙はその強張った顔のまま言った。
「どうやら」
「それじゃあな」
「うん、僕達はね」
「すぐにあの団体抜けるか」
「抜けられなくてももう近寄らない方がいいよ」
これが真宙の提案だった。
「そうしよう」
「それがいいか」
「あの先生達もおかしなところ多いし」
「そうだな、避けた方がいいな」
佑樹は真宙の言葉に頷いてだった、彼の提案に賛成した。そうして以後だった。
二人は逵本にも但馬にも近寄らなくなった、当然NGO団体にもだ。それから暫く経って逵本も但馬もだった。
警察に逮捕された、その罪状は。
「横領?」
「うん、逵本先生は学校のお金を勝手に自分の為に使って」
「但馬先生もか」
「何か詐欺してたらしくて」
「それでか」
「うん、警察に掴まったよ。それでね」
ただ逮捕されただけではなかった。
「二人共やっぱりだったよ」
「過激派と関係あったんだな」
「うん、そうだったよ」
二人の予想通りだったというのだ。
「とんでもない人達だったよ」
「そうだったか、やっぱりな」
「距離を置いて正解だったね」
「そうだな、おかしいと気付いてな」
「そうだね、けれどよくわかったよ」
真宙は眉を曇らせて溜息混じりにこう言った。
「素晴らしいことを言っていてそう思える活動をしていても」
「その実はだな」
「碌でもないことを考えてね」
「碌でもないことをしようとしている奴がな」
「入り込んでいたりするんだよ」
「そうだな」
「嫌な話だよね」
真宙はここでまた溜息を出した。
「本当に」
「全くだな、けれど気付いてよかったな」
「あのまま僕達あそこにいたらね」
「取り込まれていたかもな」
「カルト教団みたいものだね」
ここでこうも言った真宙だった。
「ああした団体も」
「世の中そうした宗教団体だけじゃないんだな」
「おかしな組織はな」
「色々あるんだね」
二人はそのことを知って以後そうした組織はじっくりと見極める様になった。そのことを知った絶好の機会となったのだった。
エコロジー 完
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