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ルドガーinD×D (改)
三十六話:最強の骸殻能力者
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「今回は殺す気はなかったが……次からは君の大切な者に対しても容赦はしない。
 よく考え“選択”をするんだな。ルドガー・ウィル・クルスニク」


それを聞き終えるとルドガーの意識は闇に落ちていった。





ふと、目を開けるとそこには見知らぬ天井があった。そのことに覚醒しきらない頭は中々答えを出してくれなかったが、しばらくしてここが病院だという事に気づく。そして、ふと横に目をやると椅子に座ったままコクリコクリと舟をこぐ黒歌の姿があった。時計を見ると夜の三時を指していた。……俺の事を心配してずっと見ていてくれたんだろうな。

俺はそのことに嬉しくなりながら自分の体の様子を確かめる。少し痛むけど特に動かせない所があるわけでもないし、不自由な所は特にないな。本当に悪魔の医療技術っていうのは凄いな。そんなことを考えながら俺はそっとベッドから降りて服を探す。

すると綺麗に折りたたまれた制服があったのでそれを取り出して着る。取りあえずはこれでいいよな。他の服は後で家にでも行って取ってくればいい。そして服を着替えてから黒歌の方に優しく毛布を掛けてやる。


「次からは黒歌を殺しに来るか……まあ、嘘じゃないだろうな」


黒歌の寝顔を眺めながらヴィクトルに言われたことを思い出す。目的の為なら容赦しないのは俺もあいつも一緒だ。今回はあいつに余裕があったから殺されなくて済んだだけだ。
次は間違いなく邪魔する者は全員殺しに来る。その確信が俺にはある。

だからこそ……ヴィクトルは黒歌から離れるか離れないかを選択するように言ったんだろうな。
俺が離れれば黒歌があいつに狙われることはまずないだろう。あいつも大切な者を狙われた身だ。リドウみたいな手を使ってくることは無いだろう。
つまり俺と黒歌が離れれば黒歌は安全だ……でもなあ―――


「ずっと……傍に居たいよな。愛して欲しいよな。……離れたくなんかない」


それが俺の嘘偽りの無い本心だ。ずっと傍に居続ける約束だってしたんだ。本当の本当に離れたくなんかない。でも……君が何よりも大切なんだ。絶対に失いたくない。君がこの世界から消えてしまえばここはもう俺の世界じゃなくなる。君が笑って生きていてくれることが俺の幸せなんだ……だから―――


「俺は……君から…離れる」


ずっとってわけじゃないんだ。君には寂しい想いをさせてしまうだろうけど少しの間離れないとダメなんだ。全てが終わったら……ヴィクトルを俺が倒すことが出来ればまた君と一緒に居られる。だからそれまではお別れだ。本当はあいつが俺を狙うのをやめてくれれば良いんだけど……あいつの正史世界に対する憎悪は本物だ。

あいつが願いを叶えたって俺が生きている限りはダメだってのは俺にも分かる。……俺っ
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