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ルドガーinD×D (改)
三十六話:最強の骸殻能力者
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判断したためにギリリと歯を食いしばり残った眷属に指示を飛ばす。


「イッセーと小猫、祐斗とゼノヴィアで二人組になりなさい! 一人じゃ相手にならないわ!」

「「「「了解!」」」」

「統率は取れているようだな…っと、そう言えば君達もいたな」

「いいねぃ…お前が本当にルドガーだっていうなら、良い戦いが出来そうだぜぃ」


リアスが眷属に指示を飛ばしそれに的確に従っているグレモリー眷属を見て少し感心したような声を出すヴィクトルだったが不意に後ろに気配を感じて後ろ手に持った双剣で振り返りもせずに如意棒を受け止める。その如意棒の持ち主、美候はヴィクトルに対して好戦的な笑みを浮かべてはいるが同時に本能的な恐怖も感じ取っていた。

ヴィクトルの強さの底が見えないのだ。ルドガーと戦っていた時でさえ、まだ何かを隠している風であったのだ。故に美候は最初から全力で立ち向かう。一端、武器を打ち付けていた状態から引き下がり自分の髪の毛を引き抜き、それを一気に吹き飛ばしある術を使う。するとその髪の毛が三体の美候の分身へとなり替わる。

これは初代孫悟空がかの有名な西遊記の旅の際にも使っていた技である。孫悟空の子孫である美候も初代までとはいかないがその技を使うことが出来る。分身を三体としたのは現状、四人で連携をとって戦うのが美候の限界だったからである。数が多くなりすぎれば逆に隙を生み出してしまう。そして相手はその隙を見逃すような軟弱な相手ではない、それ故の三体である。


「面白い技だが……所詮は“偽物”だ」


ヴィクトルは四人の美候が繰り出す、一切の隙の無い連撃を全て最小限の動きで躱し、防ぎ、いなしていく。そのことに美候は焦りを感じ何としてでも一撃をいれようとするが力を入れた所で絶妙な加減で軌道をずらされ分身の如意棒の攻撃を邪魔するのに利用されてしまう。そしてそのことでほんの一瞬だけ生まれた空白の時間をヴィクトルは逃さずに大きく一回転しながら宙に飛び上がり双銃を構える。


「レクイエムビート!」

「つうっ!? この野郎、分身を全部やりやがった!」


ヴィクトルは宙から地上の美候達に向けて激しい銃撃の雨をお見舞いする。そのせいで本体よりも遥かに強度の低い分身は消え去り、本体である美候にも銃弾が当たり体中から血が流れ出る。そのことを確認したヴィクトルが地面に着地すると同時に背後から聖魔剣とデュランダルがヴィクトルの頭のあった場所を通過する。

そのことに祐斗とゼノヴィアは驚きの声を上げるがヴィクトルにとってはバレバレの動きであったために特に労せずしてしゃがんで避けられたのだ。そしてその状態から横に一回転するように足を切り裂いて動けないようにしてから二人を吹き飛ばす。


「……あなたが兄様なんて認めません」
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