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Fate/stay night -the last fencer-
第二部
聖杯戦争、始動
開かれし魔眼、射貫きし魔丸
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担も増え、普通は放出するはずの魔力を何度も循環させることにより魔術回路も焼きついてくる。
最大放出量にも限界があるし、無闇な増幅は効率が悪いのだが…………こんな状況ではそうも言っていられない。
「っ!?」
右から左の敵へと狙いを変えようとした瞬間、眼前まで飛来した鉄杭を寸でのところで銀剣が弾く。
振り返らないままなら後頭部、正面からなら眉間を貫いていたであろう位置。
当たれば絶対に死んでいただろう攻撃に驚きはしたものの、何故か自分がここで死ぬかもしれないという感じはしない。
あまりの状況に、危機回避やら生存本能やらが壊れたのか。
それともフェンサーへの信頼故か、単にオレが自信過剰なだけなのか。
わからないが、それでもこの勘は信じていい。
今まで死ぬほど恐ろしい目に遭ったことは何度かあるが、そのいつでも自分がそれで終わると思ったことはなかったのだ。
直感的に死ぬと思わなければ、大抵のことはどうにかなる。
余計な感情や感傷と同じく、恐怖や怯懦などといったものは、戦闘時には不必要なものなのだから。
たとえそれらを消しきれなくても。たとえそれらを拭いきれなくても。
大切なのは、判断を誤らないこと。
だから鉄杭の投擲と同時に迫るライダーを視界に捉えていても、オレがそちらに気を割く必要などない────!
「セッ、やぁッ!!」
上段と下段から喰らいつく牙を防ぐ銀の軌跡。
走り迫るライダーが、飛んでいく鉄杭から伸びるその糸を掴む。
弾け飛んだ鉄杭を鎖で引き寄せ、間髪いれずに放たれる第二投…………!
「く……!?」
両側面から挟み込むように飛来する双牙。
それを返す刃と蹴りで再び弾き返す。
このとき、予想外だったのは。
銀剣に弾かれ、あらぬ方向へ飛んでいく鉄杭を。
フェンサーの脇を高速で走り抜けたライダーがそのままキャッチし、攻撃に転じたことだった。
「ッ、こっのォ……!!」
振り返りざまに繰り出される斬り上げ。
それはオレの心臓目掛けて繰り出された鉄杭を見事に迎撃した。
これだけの手を尽くして仕掛けられた想定外の奇襲を受けて、なお防ぎきるフェンサー。
ライダーから守り切ると言った意思は生半可なものではなく、これほどの連撃を凌ぎ切る鉄壁の防御。
だが強固な意志、揺らがぬ精神だけではどうにもならないことがある。
斬り上げから反転させた刃で袈裟懸けに斬り込むも、信じられない反応速度で飛び退るライダー。
そしてギリギリの攻防で後退しながらも、鉄杭と繋がる鎖を巧みに操り、鉄杭が再び襲い掛かる。
「っ、レイジ────!!」
寸分違わずオレに向かって飛来するその死
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