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Fate/stay night -the last fencer-
第二部
聖杯戦争、始動
開かれし魔眼、射貫きし魔丸
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術理論から派生させたのが、その概念武装との同調(けいやく)から秘められた奇跡の力を利用すること。
 座に存在する英霊の象徴となる聖遺物(宝具)を介して、彼らとの間に経路(みち)を開き、根源へと至るというものだ。

 開いた後にどう根源へと辿り着くかは仮説ながら幾つかの手段が記されていたが、実際に開く段階まで到達できれば自ずとその方法は知れるはずだとも書いてあった。

 それは間違いなく黒守にだけ伝わる魔術であり、それを他の魔術師が知っている、扱えるということだけは絶対に有り得ない。

 神秘の隠匿を第一意義とするのは魔術師として当然。

 今日までに黒守の魔術が外部に漏れたことなどなく、今までに有り得ないならばその可能性があるのは未来だけということになる。
 オレの代以降の黒守が英霊となったのか、それとも誰かに魔術を知られてしまったのかまではわからないが。

 少なくとも夢の記憶で見た青年、もしくはフェンサーは黒守に縁のある人間なのだろう。

 だからこそ魔術によって宝具の真価を発揮させることができ、内包する概念を自身に実装することが出来たのだ。





「────────」

 銀の聖封から宝剣が解放される。

 纏っていた光と同じ白銀の煌きを湛えた剣、それこそが彼女の持つ宝具の真実の姿。
 これまでは剣に内包されていた絶対速度の概念を自身に実装していただけだったが、今は宝具の概念そのものを解放している。

 敏捷に属する能力が強化され、フェンサーの動きにキレが戻る。
 依然としてライダーの方が速いが、速度差によるアドバンテージは均衡を保たれたことになる。

 しかしライダーは直接攻めて来ない。
 こちらの加速原理を知ったからというのもあるだろうが、彼女の狙いはそんなものではない。

 ────時間稼ぎ。フェンサーを防戦一方にすることで、竜牙兵が集う時間を稼いでいる。
 どうあってもオレはしばらくの間動けない。マスターの防衛に回らなければならないという状況を活かし、自分に有利な戦場を作ることを念頭に置いている。

 いくら足止めを食らったからといって、人形の群れ程度にやられることなどない。
 フェンサーも防戦せざるを得ないとはいえ、ライダーに押し切られるということはないだろう。

 ならライダーが人形共に合わせて、乱戦、攪乱を主戦法として攻めてきた場合はどうするのか?

 竜牙兵にまでは気を割けないとフェンサーは言った。それはライダーから目を離すことが出来ないからだろう。
 自分がやられれば済し崩し的にオレまでやられるし、オレが竜牙兵を捌いているときにライダーから攻撃を受ければ対応できない。万が一に竜牙兵に押し切られても終わりだ。

 俺たちが取れる手段は、石化
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