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飛ばない鷲
4部分:第四章
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たくとも飛べなくなってしまう。
「それによってか」
「はい、他のドイツ軍の兵器と同じくです」
「そうしました」
「直接戦わずとも相手の兵器や燃料を潰せばそれで追い詰めていけるか」
 アイゼンハワーはそのことを再認識したのだった。
「そうだな。その通りだ」
「如何でしょうか、これで」
「今後もこの作戦で」
「うむ、頼む」
 アイゼンハワーはそれでよしとしたのだった。
「全ては犠牲を最低限に減らしそのうえで勝利を収める為だ」
「その通りです」
「全てはその為にです」
「そうだな。戦略爆撃はその為にも必要だ」
 連合軍を率いる総司令官としての言葉である。
「まさにな」
「太平洋でもそれが行われています」
「この前サイパンが陥落しました」
 彼等は太平洋戦線の話もした。そこでのあいては日本である。
「そこにB−29の基地が築かれます」
「確か」
「そうか。では向こうでも戦略爆撃はだ」
「さらに激しくなる予定です」
「それで日本も追い詰めていくことになります」
 その太平洋戦線についても語られた。
「間違いなくです」
「これで」
「戦争は変わったな」
 アイゼンハワーはここまで聞いたうえで述べるのだった。
「第一次世界大戦とも比べてな」
「そうですね。それは」
「その通りです」 
 航空部隊の参謀達もそれはよくわかっていた。確かに戦争は一変していた。
 それを認識したうえで。彼等はこうも言うのだった。
「ですがそれもです」
「時代です。そして」
「勝利の為だな」
 そこから先の言葉はアイゼンハワーもわかったのだった。
「その為にだな」
「はい、そうです」
「ですから」
「わかっている」
 アイゼンハワーは答えた。表情を消したその顔で。答えたのであった。
「このまま進めるのだ。戦略爆撃をな」
「わかりました」
「では勝利の為に」
 参謀達は一斉に敬礼をしてアイゼンハワーの言葉に応えた。こうしてメッサーシュミット262は敗れた。そしてドイツへの戦略爆撃はさらに激化していき連合軍に勝利をもたらしたのであった。


飛ばない鷲   完


               2009・11・22

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