第四章
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「また接吻や抱擁は婚約、契る約束を結んでからです」
「えっ、それって」
「つまりは」
「恋愛、それは結婚です」
それ即ち、というのだ。
「ただ一人だけを一途に愛しそのうえでその相手に死ねるものでなければなりません」
「愛と誠かよ」
「岩清水さんじゃない」
あの伝説的恋愛漫画の登場人物そのままだった。
「そう来たか」
「まさかの」
「そしてです」
さらに言うのだった、奈央はだ。
「浮気はです」
「何か展開読めてきたな」
「そうよね」
「辻井先生だしなあ」
「それにこれまでの展開だとね」
彼女の話のそれがだ。
「もうね」
「ここから先の言うことは」
「一つしかないよな」
「何があってもね」
「万死に値します」
生徒の誰もが予想した言葉が出て来た。
「それはまさに死を以て償わねばなりません」
「死って」
「浮気は死刑って」
「何と恐ろしい王国」
「王国民もびっくり」
生徒達はこう言ってこの展開に納得した。
「流石辻井先生」
「そう来たわね」
「恋愛はまさに二人で永遠に。どちらかが死ぬまで進むものです」
それ故にというのだ。
「愛する相手は一人でなければならず」
「浮気は極刑」
「そうなるものなのか」
「容赦なく」
生徒達も納得した。
「まあな」
「辻井先生だからな」
「やっぱり浮気はね」
「絶対に許さないわね」
このことは本当によく納得出来た。
「というか先生が浮気よしとか言ったら」
「それだけでびっくりだし」
「このことはね」
「当然ですね」
「浮気は絶対にあってはなりません」
実際にだ、奈央は言い切った。
「何があろうとも」
「ですよね、あくまで相手は一人だけ」
「人生においてですね」
「そうです、遊びもありません」
それもまた、というのだ。
「それは抑えるのです」
「自分の心で」
「そうあるべきですね」
「そうです、異性の相手は一人であり」
そしてというのだ。
「同性もまた然りです」
「えっ、同性!?」
「今同性って言ったよな」
「ええ、確かにね」
「言ったわ、先生」
「間違いなく」
生徒達も奈央の今の言葉は思わず確認した。
「確かにね」
「言ったよな、先生」
「実際に」
「あの、先生」
男子生徒の一人が右手を挙げて奈央に問うた。
「今同性って仰いましたよね」
「はい」
その通りだとだ、奈央はその生徒に答えた。
「そうです」
「あの、ということは」
「はい、同性愛です」
「同性愛いいんですか?」
「何か問題があるのでしょうか」
奈央は真面目な顔のままだった、奈央らしく。
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