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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第16話:三手先行くお父上
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ュさんが若い男共の餌食になりそうになった件は、全くの偶然じゃないか! ピピン殿が偶然見かけたから、大事(おおごと)になる前に発覚したんだよ?」

「さて……あのお父さんが、リュリュの周囲で起きている事に気付いてないとは思えないわ。むしろリュリュに群がる様に仕向けたのでさえ、お父さんかもしれないし……私も含めて、お父さんに特命を授けられたら、喜んで尽力する連中が大勢居るからねぇ」

俺は言葉を失った。
何処まで予定事項だったのか……何処から不測の事態に陥ったのか?
いや、もしかしたら不測の事態に何て陥ってないのかもしれない。
(ポピー)の口調がそれを示唆する。

「う〜ん……解らないってのは不愉快ね! ウルフを脅して聞いてみましょう」
言うが早いか、彼女はMH(マジックフォン)を取り出し誰かの端末を呼び出した。
暫くして(ポピー)の手に収まってるMH(マジックフォン)から、一人の青年の姿が浮かび上がる。

驚きつつ怪訝そうな表情をする青年を見て、(ポピー)は満足そうに頷くと手に持つ端末をテーブルに置き、俺と共に会話できる状況を作り出す。
「忙しいところ済まないウルフ君」
俺は(ポピー)に変わり、MH(マジックフォン)の相手に謝罪する。

『いいえ予測はしてましたから……でも少し待ってて下さい。誰にも聞かれない場所に移動します』
「予測したたなら、そこで待機してなさいよ。使えないわね!」
酷い……彼は忙しい身なのに。でも怖いから言わない。自分が一番大切だから。

『ちっ、うるせぇ女だな』
「お? お前今何つった?」
ウルフ君は端末を手に人気の無い場所へ移動してるのだろう。揺れるビジョンからそれが読み取れる……そして本音の独り言も。

『何か聞こえましたか、ラインハット王太子ご夫妻殿?』
周囲に誰も居ない静かな場所に移動したウルフ君は、しれっとした顔で端末に向かうと何事もなかった様に話しかけてきた。
流石リュカ陛下の秘書官をしてるだけはある……良い度胸だ。

「まぁ良い。今回は見逃してやる」
『“今回は”じゃねーだろ。どうせ(いず)れ思い出して俺の事を苛めるんだ。“今は”と訂正してほしいですな! 言葉は正しく使って下さい義姉上殿(おねえさま)

「何だ……解ってるじゃないか(笑) じゃぁ挨拶は端折ろう。サッサと説明しろ……お父さんは何処まで手を出してるんだ?」
あの陛下に『手を出してる』と言う台詞を言うと、女性関係の事柄に思えるが、彼も(ポピー)が何を言いたいのか解ってるだろう。

『闘技大会およびリュリュ様の諸問題の事でありますか? でしたら部外者に……グランバニアとは関係のないラインハットの方々にお話しする訳には参りません。それが解らぬポピ
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