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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第16話:三手先行くお父上
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「解ってるわアホの()って言うんでしょ?」
「そこまでは言わないけど……」
何時も彼女には優しくしてるのに、言う事はキツイなぁ……

「勿論いきなり重要ポストに就かせる訳にはいかないけど、あの()は努力家だから教え込めば何だって出来るのよ。だから手始めにティミーの秘書とか補佐とかに就かせるんじゃないの? そこで仕事を憶えさせて、行く末は外務大臣リュリュ閣下よ」

「随分と突飛な考えだな……リュカ陛下がそんな事を考えてると?」
「えぇ……随分前から考えてたと思うわ」
随分前って何時頃だよ……?

「お父さんは跡取り育成を考えて行動してるのよ。その為にティミーを外務大臣にして、他国のお偉いさん達とのコネクションを作らせた。そしてウルフを自身の秘書にして、国内の全てを把握させこちらもコネクションを築かせたのね。既に報告があったけど、彼は(いず)れ宰相になる……お父さんには宰相なんて不要だけど、ティミーには必要になるわ。外に強くカリスマ性を持った国王と、内に強く天才的な宰相のコンビ……リュカ国王に引けをとらないと思わない?」

「確かにその通りだが、リュリュさんはどうなるんだ? 彼女を外務大臣にする行動がまだ見えてこないけど……」
「馬鹿ねぇ……既にリュリュは外務大臣への道を歩き出してるのよ。本人すら気付かぬ内に」
ま、まさか……

「彼女は王太子直属の護衛部隊の副隊長よ。常にティミーやアルルさんと一緒に行動してたわ。つまり随行するリュリュにもコネクションを作る事が出来る訳なのよ。あれほどの美女よ……各国のお偉いさん(スケベなオッサン)が放っておくと思う? 答えはノーよ。あの女の厄介さを知ってたって、鼻の下を伸ばして近付きたくなるでしょアナタ?」
あ〜ん……ポピーさん怖い(涙)

「で、でも……いきなり“外務大臣やれ”と言われてやるかね? 俺だったら拒絶するよ、大好きな父親の言い付けでも」
「だぁかぁらぁ……お父さんはもっと細部の事まで考えてるの。今までティミーの補佐をしてたアルルさんは、妊娠を理由に政務から外す……代わって側で仕事を見続けてきたリュリュを後釜に据える。そしてしばらくは外務省の……外務大臣の仕事を憶えさせる」

「で、時が来たらティミーを国王にして、リュリュさんを外務大臣に……か」
つくづく怖い一家だ……
こんな事を考え実行してたリュカ陛下に、それを説明される事なく理解してるポピー……
ティミー……お前は大丈夫なのか? その一家の一員で大丈夫なのか?

「さっきも言ったけど、お父さんとウルフの頭の中には、ここまでの流れが出来上がっており、全てシナリオ通りに推移してるのかもしれないわよ。闘技大会を偶然利用した様に装ってるけどね……」
「それは不可能だろ!? だってリュリ
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