暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜十一番目のユニークスキル〜
唯一無二の不確定因子
第二十四話 生存
[2/4]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
Oの中なのか、ということだ。俺はその疑問を解消すべく、右手を振る。すると
「出た・・・・・・」
鈴を鳴らすような効果音とともに、紫色に発光する半透明の矩形が現れた。これで確定だ、ここはまだSAOの中である。だが、同時に謎は深まるばかりである。この世界ではHPが0になれば、こちらでも現実でも退場することになる。それは絶対の理のはずだ。だが、俺はこうして生きている。
「とりあえず、みんなに生きていることを報告しよう」
不可解なことがいくつもあるが、まずはそれが先だ、と思った俺は、メールを作成し始めた。
最初に送るのはアリスだ。一番最初に送らなければ殺されるだろう、と俺は、簀巻きにされて湖に落とされた過去の出来事を思い出した。とりあえず、帰ったら何かやられるのは確定だな・・・・・・と遠い目をしながらメールを送ろうとした。
「あれ?」
メールが
送れない
(
・・・・
)
・・・・・・。
「どうゆうことだ・・・・・・」
もう一度送信しようとするが
error
この五文字が表示される。俺は、この時点で嫌な予感を感じ始めた。
続いて俺は、メールを送れないならばと、メニューの中からアイテム欄をタッチし、無数の項目の中から《転移結晶》を選択して、オブジェクト化させた。
「頼む・・・・・・転移、<アルゲード>」
俺は祈るように青い結晶を強く握りしめた、が、いつまでたっても転移は始まらない。
「転移!<アルゲード>!!」
もう一度転移結晶を掲げ、叫んだ。
だが――――
「やっぱりダメか・・・・・・」
転移結晶はウンともスンとも言わなかった。
メールが送れない時点で、そんな予感はしていた。第一、俺がこうして生きていることがおかしいのだ、何かしらのバグが起きていても不思議ではない。
「これはまずいな・・・・・・」
それでも俺は焦りを感じずにはいられない。連絡手段がないのだから。つまり、誰にも自分の安否を伝えることができない。
アリスたちは恐らく俺が死んだと思っているはず。それがどれほど彼女らを傷つけているか。
それに、一番心配なのはアリスだ。俺が死ぬ間際に聞いた彼女の声は、今にも泣きだしそうなほど震えていた。多くの人は知らないが、強気な口調と見た目に反して、アリスの心は繊細である。ただ、弱い自分を人に見せようとしていないだけ。
だからまずい。前に一度、彼女は仲間を目の前で失ったことがあるのだ。その時のアリスは本当にひどかった。俺とアスナの二人で、ギリギリ落ち着かせることができた。だが、今回はアスナしかいない、キリトもいるが、少し心もとない上、唯一頼りになりそうなユージオは、今彼女のそばにいない。
なら、俺がとるべき行動は一つだ。
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ