始まりから二番目の物語
第四話
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以外の人、全員が一緒であった。
そうして、私は一人だけ理解している亮くんに答えを質す様にして質問を飛ばす。
そう私の声を切り出しに、亮くんが語り出す。皆の視線が自ずと亮へと集まる。
―――少年説明中。
曰く、武偵とは近年凶悪化する犯罪に対して新設された国家資格で、武偵免許を持つ者は武装を許可され、逮捕権を有するなど、警察に準ずる活動が出来るらしい。
ただし警察と違うのはお金で動く事だ。
お金を貰えば、武偵法という法則が許す範囲ならどんな荒っぽい仕事でもこなす。つまりは“便利屋”だ。
亮くんの話す、武偵の話の中で興味を惹かれるモノがあった。
そして一つ驚いた事があった。それは、亮くんがそれを目指している事だった。
話を聞く限り、命の危険をも伴うと先の話では聞いた。
それ程の危険を伴ってでも、それになりたいと亮くんは明確な意思を持って言った。
「感心です、その歳で良くそこまで詳しく知っていますね。博識です、ご褒美にキャンディをあげましょう」
微笑みながら、女性は懐から棒付きキャンディを亮に差し出そうとする…。
「―――止めんか」
だが、それを遮る様に部屋の中に時夜くんのお父さんの凍夜さんが入って来た。
すぐに、その差し出したキャンディを手中に回収する。
「…ただのキャンディなら文句は言わない。ただシャル、お前の場合はブツに薬品を混ぜ込むからな。これに、薬品を混ぜてはないだろうな?」
手元のキャンディを注視して、訝しげな視線をシャルニーニに向ける凍夜。
「ええ、ちゃんと無害なモノです、健康に害を及ぼさないから大丈夫ですよ」
「…いや、安心できないからな」
しれっと言い放つが、それは自ら黒であると宣言しているものであった。
そんなシャルニーニの態度に溜息を吐き、凍夜はキャンディを懐にしまい込む。
「しかし、本当に詳しいな亮くん。なら…そうか、二人とも俺の未来の同僚だな」
「いえ、まだ本当になれるかどうかも解らないですから……それに、二人?」
そう言葉にした凍夜の言葉に疑問符を浮かべる亮。
「ああ、家の“眠り姫”も武偵を目指しているからな」
そうして、眠り続けている中性的な顔立ちの自身の息子へと目を向ける。
その顔立ち、華奢な身体付き故に凍夜は時夜の事をそう評していた。
「…時夜くんが、ですか?」
それに肯定の意を示す様に頷く凍夜。
一時、皆で将来の夢について話し合った事があったがその時は亮くんは自らの夢を告げなかった。そして、時夜くんもまだ漠然とした事の為に想像が出来ないと、そう言っていた。
「…じゃあ、診療の方をして貰ってもいいか、シャル?」
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