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緋弾のアリア-諧調の担い手-
始まりから二番目の物語
第三話
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言に、時夜は前世の事を思い出す。
こうして、弱った時に彼女はそう俺に言葉を掛けてくれた。


『私が、ずっと傍にいて貴方を抱き留めるから』


今思えば。
彼女に他意はなかったと思うが、端から見れば、それはさながらの…。



「プロポーズみたいだな」

「…ふぇっ?」


心の中で呟いたと思っていたが、声に出てたのか…。
俺の呟きにヴィクトリアは一瞬呆けた顔をする。


「いや、プロポーズみたいだなってさ」

「…な、ななっ…何を言っているのですか主様?!」


色恋沙汰に関しては、初心なのだろうか。あわあわ…と、慌てて、顔を赤くしている。
普段の大人びた様相から想像出来ない慌てっぷりだ。

一つ、彼女の意外な一面を見つけた。
その事に、彼女との間にある物がまた一つ埋まった気がする。

そして動く度に、その強調された二つの山が縦横無尽に跳ねる。

先程から顔を見上げていても、その胸によって殆ど顔が見えない。
絶景かな、絶景かな。何と言うか、福眼です。ごちそう様です。


「…ハラショー」


自然と、口からそう漏れてしまった。
幸いか、慌てているヴィクトリアの耳には入っていなかった。


「…そういや、静流に同じ事を言ったらリアと同じ反応をしたっけな」


『…時夜、初めから強い人間なんていないんだよ。皆、自分の弱さを受け入れてただひたすらに前に進んで行くの、それが生きるという事だから』


「…弱さを受け入れて前に進む、か」


自身の弱さを受け入れて、前に進む事。それも一つの強さだと彼女は言った。

俺は過去を忘れる事は出来ない。…それでいいのかもしれない。
ただ、それを受け入れて、前に進む事が出来れば。

……出来るだろうか、俺に?例え不格好でも、歩くのが遅くても…。
否、出来るかもしれない。今の俺には共に歩んでくれる相棒がいる。それだけでも、とても心強い。

ゆっくりと歩んで行こう、俺達には無限にも近い時間があるのだから。


「…考え事は終わりましたか?」

「そういうリアも落ち着いたか?」


いつの間にか、元に戻っていたリアにそう問い掛けられた。互いに、目配せをする。
彼女はゴホン…と、咳払いをして平静を装う。


「…取り乱しました、先程の事は忘れて下さい」

「無理」

「…うぅ、忘れて下さい!」


これが俗に言う、ギャップ萌えというヤツだろうか。
先程の出来事は、俺の脳内フォルダに保存しておこう。


「…即答ですか。…まぁ、問題はありますけど、それよりも答えは出ましたか?」

「…ああ、とりあえずはな。これからも改めてよろしくな、リア」

「はい、此方こそよ
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