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緋弾のアリア-諧調の担い手-
始まりから二番目の物語
第三話
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初からリアにはバレると思っていたけれど。

そうして、一時の静穏を経て―――


「…あの夢を見たせいか、怖くなったんだ。人を信じる事が」


気付けば、少年の口から独白が零れ出していた。女性はただ、少年のその独白に耳を傾ける。


「…また、失ってしまうんじゃないかって。……前世の両親も、静流も、俺を置いて先にいなくなってしまったから」


少年はその手をそっと、天上に飾られた真白の月へと翳す。
手でそれを捕まえるが、実際に捕まえられた訳ではない。その手より月の光は零れ落ちて行く。

もう既に割り切った過去の事だった。否、暫く悪夢に魘されない故に割り切れたと思っていた。
迷いも後悔も、前世からこの身を切り離した際に捨て来た筈だった。…だったのだ。


「…契約の時にも言っただろ?俺は強い人間じゃないって。…結局の所、弱いから未だに過去を払拭出来ずにいる。…だから過去(これまで)も現在(いま)も、そして未来(これから)も、きっと繰り返す」


きっとまた同じ事を繰り返す事だろう。
あの日の記憶が、自身の中で消えて無くなるまで。

強くあると誓った。
俺は覚悟と決意を持ってヴィクトリアと契約を交わして、永遠存在なった。

そこに偽りはない、けれど俺はあまりにも弱いから…。
あまりにも、その心が、精神が脆すぎる。だから、こんなにも迷い揺れる。


「…こんな俺を、嫌いになったか?」

「…いいえ。そんな事はないです、主様は決して弱くなんてありません。それに私も、契約時に言いましたよ?貴方と共にあり、共に傷付く、貴方を包み込む鞘になると…」


ヴィクトリアが時夜の手を優しく自身の胸に抱き止める。

暖かな温もりが、時夜の心に広がってゆく。真摯な眼差しで、彼を彼女は見据える。
優しくも強く、意思の籠った声でその心を言葉にする。


「例え、世界の全てが主様の敵になろうとも私はずっとお傍にいます。辛い時は支えます。…喜び、悲しみも一緒に分かち合います。これまでも、そしてこれから先も、私は主様と一緒に何処までも歩んで行きます。…だから、もっと私を頼って下さい」


それはヴィクトリアにとっての、自身の主である時夜に願うただ一つの願い。
放った言葉の様に、彼女は時夜にとっての鞘になろうとしている。切実な想い。


「……ははっ」


俺は思わず彼女のその言葉に痛みなど忘れて、笑みが零れる。

―――そっか。
こんなにまで俺は、リアに信じてもらっていたんだ。

前世、過去にもその言葉を一字一句違う事なく言われた事があった。
あの日、あの時の光景が、言葉が脳裏に繰り返される。


「…前世で、静流にも同じ事を言われたよ」


ヴィクトリアの発
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