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緋弾のアリア-諧調の担い手-
始まりから二番目の物語
第三話
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「はい、現実世界で今から三日程前の事です。幼稚園への行きのバスの中で、主様は昏睡状態に陥ってしまいました。…何処か、不備はありませんか主様?」


喉に痞えていたものが取れる様に。
彼女のその言葉で、靄が掛っていた頭が透明になってゆく。


「……ああ、そうか。倒れたのか、俺は」


まるで自身の事ではない様に、自然とそう口から言葉が零れる。
漸く全てを思い出した。三日前のものだと言う記憶を忘却の彼方より引き寄せる。

文や、亮、芽衣夏ちゃんにはきっと酷く迷惑を掛けた。
倒れたという事は、きっと両親にも連絡が行っている筈だ。心配を掛けた事だろう。


「……はぁ、やってしまったなぁ」


大仰に、思わず溜息を吐く。
膝枕をされたままの、その姿は傍見れば滑稽だが、生憎とこの世界には二人しか存在しない。

遥か昔より、人に迷惑を掛けない様にずっと振る舞ってきた。
だが、今回は逆にそれが裏目へと出てしまった。

……もう少し、人を頼るべきなのかな?

一人では、何事もいつか限界というものが来てしまう。いや、もう既にその限界なのかもしれない。

だが、俺は信頼する家族も友人も騙して、今この世界に存在している。
裏返して言い換えれば、それは誰も信じていないという事になる。

そんな俺が一体、誰を頼ればいいのだろうか?否、頼る事など出来ない。
今の時夜には、本当の心の支えとなる主柱が存在しないのだ。

云わば心は孤独だ。誰しも孤独を感じる時、一番の自分の理解者を求める。
それは親なり兄弟なり、または親友、彼女が当て嵌まるだろう。

人の心の拠り所は様々だが、俺にも嘗てはそれに当て嵌まる理解者が存在した。
今は亡き一人の少女だ。俺の傍で、彼女自身の最後のその時まで一緒にいてくれた少女。

だが、今の俺にはそれが無い。
故に、本当の意味で常日頃、薄々と孤独を感じ取っていた。


「主様はもう少し、人を頼るといった事を覚えた方がいいですね」

「……心を読まないでくれよ、リア」


まるで射抜く様に、今の俺の心情を理解した様に、そうリアが口にする。
その問いに、時夜は押し黙る。それを肯定と受け取ったのか言葉を続ける。


「……やはり、前世の事があるからですか?」

「だからリア、人の心を読むなと…」


否と、リアはその碧銀色の艶やかな髪を揺らして否定する。
そして、真摯な視線で時夜を真っ直ぐに見つめる。


「私と主様は繋がっていますから、それ故に、自ずと主様の事を理解してしまいます。深い、主様自身すらも認識出来ていない根本までも」

「……………」


時夜はその口を閉ざし、押し黙る。
どうやら、隠し事は出来ないらしい。まぁ、最
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