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緋弾のアリア-諧調の担い手-
始まりから二番目の物語
第二話
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のだろう。

来客には心当たりがある。部屋の時計を見やれば時間は三時時とちょっと過ぎ。
事前に電話が来ていたから、時夜の幼稚園のクラスメートであろう。

モニターから覗く外界には、幼き小さき子らの姿があった。
その姿を見据えて、私は小さく微笑む。


「……あの子も、良い友達を持ったわね」


小さかった笑みは大輪の花を咲かせる。思わず、自分の事の様に笑みが零れてしまう。
最初に出雲を出る際、ちゃんと外の世界でやっていけるのかと当の本人以上に心配であった。

その友人達の姿を見て、確りやれている様で何よりだと思う。

自分でも自負しているが、私はブラコンなのだ。
不謹慎ではあるが、こうして下界に訪れて時夜の成長を見れる事に喜びを感じている。

そうして、私は玄関のドアを開けて来客を迎え入れる為に外に出た。






3







インターフォンを鳴らして、少しした後。家の中より、美少女と言って良い程の女性が現れた。
思わずその絶世の、浮世離れした風貌に見惚れる。そうして言葉を失ってしまう。

それは後ろにいる文ちゃん達も同じ事だった。

悠然たる足取り。動く度にふわりと揺れる、艶のある濡れ羽色の長髪。
顔やスタイルは一流のモデルも裸足逃げ出す程に整っている。

極めつけには、その纏っている空気とでも言えばいいのか。
それが世界から逸している様に、神秘的に感じる。

この人は、まるで“人間”ではないような。まるで一つの“完成”された芸術品の様に思えてくる。


「…初めまして、貴方達が時夜と同じ組のお友達かしら?」



「…は、はい。時夜くんのお友達の不知火亮といいます」


その雰囲気。カリスマとでも言うのだろうか。
それに気押されながらも、亮は自らの名を告げた。


「うん、よろしくね。亮くんとは電話でさっき話した事があったわね?」

「はい、そうですね…えっと」


相手の名前が分からずに、思わず口どもる。
そんな様子を察したのか、彼女は笑みを浮かべながら自身の名を告げる。


「…私の名前はナルカナ。時夜にとってのお姉ちゃんみたいな存在よ。皆、よろしくね?」


全員を見回す様にそう言うナルカナと名乗った少女。
それに習って、他の皆も各々挨拶を交わす。


「…亮くんに、文ちゃん、ライカちゃんに、芽衣夏ちゃん、そして千鶴ちゃんね」


挨拶を交わし、反芻する様に僕達の名前を口にする。


「それじゃあ、せっかく来てくれたんだし、皆家に入ってちょうだい。」


そう口にして、身を翻す彼女の後に皆で続く。
艶やかな黒髪がふわりと風に靡き、菫の様な淡い良い香りがする。



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