始まりから二番目の物語
第二話
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く、正確には四人だがそれでも姦しさは変わらない。寧ろ増している事だろう。
すっかり意気投合したのか、ガールズトークに花を咲かせる彼女達を数歩離れた後ろから見守る。
そんな四人の中に入って行くのは憚られる、そもそも女の子の輪に割って入る行く勇気がない。
何処と無く居心地が悪い為に、こうして離れて歩いているのだ。
だがそんな皆を見据え、それが何処か微笑ましく思えてくる。
そんな事を思想していると、不意に話を振られた。
若干聞き逃していた為に、話を聞き返す。内容は、お見舞いの品についての話だ。
僕とライカちゃんは定番所の果物の詰め合わせ。
文ちゃんは、部屋に飾る色鮮やかな生花。
芽衣夏ちゃんと亜麻川さんは芽衣夏ちゃんの実家の洋菓子屋“綾月洋菓子店”のケーキの詰め合わせだ。
それを皮切りに、会話へと混じっていると次第に立派な外門が目に入ってくる。
閑散とした住宅街に立ち並ぶ一際大きな純和風の外門、そしてこれまた立派な和風のお屋敷。
まるでこの家だけが旧暦から産物と思える様に、周囲の現代風の住宅街から浮いている。
最初に時夜くんの家に来た時、その時は時代劇なんかで見る様な建造物に思えた程だ。
外門に立て掛けられた表札にも達筆な字で倉橋と書かれている為に、此処で間違いはない。
「…本当に、何度見ても大きな屋敷だよね」
「そうなのだ、一体どれだけの坪を使っているのかな?」
既に見慣れた屋敷とは言え、僕と文ちゃんはそう感嘆とした声を洩らした。
それとは別に、驚きの声を上げる少女もいた。
「…ここが時夜くんのお家ですか!?」
そう、亜麻川さんが最初の頃の僕や文ちゃんの様な驚き方をしている。
確かに、この純和風の威風堂々とした屋敷を見たら誰でも驚きの声を洩らす事だろう。
屋敷を見据えながら、亜麻川さんは何処か興奮気味に言葉を紡ぐ。
「なんだか、武家屋敷みたいで良いですね!」
「…あ〜、千鶴はそういうの好きだからねぇ」
そんな亜麻川さんを何処と無く呆れ気味に見据え、溜息を吐く芽衣夏ちゃん。
それを傍目に、僕は門に設置されているインターホンを鳴らした。
…一秒でも早く、時夜くんの顔を見たくて。
インターホンから返ってくる返答の待ち時間が、とても長く感じられた。
2
「…あら、もう時間かしら」
台所で家事をしていると、不意に来客を知らせるチャイムが家の中に鳴り響く。
ナルカナは掛けていたエプロンを外し、外を見る為にインターフォン用のモニターへと向かう。
今現在、この家で動ける人間は私しかいない。
未だに時深も眠りに就いている。…精神的に大きく疲労が溜まっていた
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