赤い夢
第二話
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息。身体は雪の様に冷たく。顔面は蒼白。おそらくは熱も相当あるのだろう。
熱を帯びたせいで、その瞳からは頬を伝う様に一筋の涙が流れている。
「…時夜くん、どうしたんだい!?」
「…お兄ちゃん、泣いているの?」
此方の異常な様子を窺っていたのか、席を立って亮くんとライカちゃんが現れる。
文は振り向き、亮に告げる。
「…亮くん。時夜くん具合が悪いみたいだから席に運ぶの手伝って貰ってもいい?」
「…ああ、もちろんだよ」
事態を理解したのか、時夜くんを見てそう私に告げる。二人で、時夜くんを席まで運ぶ。
本当に、その身体は酷く冷たい。死人と言っても、過言ではない程にだ。
「…ほら、そのバカこっちに座らせて!」
見ていたのか、芽衣夏ちゃんが自身の隣の席を叩く。
そこに座らせて、芽衣夏は時夜の頭を自身の膝の上に乗せる。
「……あれっ…めい、か…ちゃん?」
「いいから、具合悪いんでしょ?だったら寝てなさい」
意識が朧気ながらも、起き上がろうとする時夜を芽衣夏は手で身体を制する。
そうして、再び膝の上に寝かせる。
落ち着きを得たのか。
時夜は、安静の地を見つけた様に泥沼の様に意識を手放した。
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