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緋弾のアリア-諧調の担い手-
第五話
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切先が到達した瞬間、その異変は訪れた。対象の姿が解れて、姿を霧散する。
そして一筋の閃光が我が身を突き抜ける、それは斬撃へと変わる。

驚く間もなく、幾筋もの斬撃が俺の体を襲った。
痛みを感じる暇もなく何をされたのかも理解出来ず、俺の意識はそこで刈り取られた。






3







時夜side
《住宅街・通学路》
AM:7時57分


「…いたたたっ」

『大丈夫ですか、主様?』

「…ああ、大丈夫」


あの朝の闘いから僅か数時間。あの最後の一撃で昏倒させられてからそれ程しか経過してない。
体の傷等は、残らずに消えているが疲労と筋肉痛などは抜けきっていない。
それに俺はサヴァン・シンドロームも使い、脳のリミッターを外した為に反作用も働いている。

あれは普段は人間の脳に掛っているリミッターを解く事。
それで、常人を逸した人間の持つ本来の力を引き出すものだ。

まぁ、大きすぎる力には代償が必要という事。
これで、身体自体がちゃんと出来あがっていれば問題はないのだけれど。

あれは未成熟な体では無理をさせすぎる。まぁ、肉体の方は何とかしようと思えば何とかなる。
俺はそれを“武装形態”と呼んでいるが。
永遠存在は概念を書き変えて、自身の肉体を自由に操作する事が出来るのだ。

何故か初めて大人化した時は両親や姉達が涙を流していたけど。
わけがわからないよ。

まぁ、今では自在に肉体年齢を書き換える事が出来るが、これにも相当な時間を有した。
永遠存在になってからの一年の所を、一年を十年、十年を百年と。
お母さんの神剣の作り出した異空間で、概念操作の取得と戦闘技術の習得をしていた。

俺が幼稚園に入るのに一年遅れたのはその為。
永遠存在になった存在は、その時より肉体の成長が止まる。
身体年齢が四歳以降で進まずに社会に出ると、明らかにその存在は異常以外の何者でもない。


「大丈夫ですか、時夜?」

「うん、まぁ大丈夫だよ。でも…」


手を繋いだお母さんがそう尋ねてくる。
身体の方は、ある程度の倦怠感等はあるが日常生活に支障が出るほどではない。

あの戦闘を行った森林の方はというと、そちらの方も問題はない。
木々は焼かれ、大地には大きなクレーターを作り出してはいたが、“最初から”何もなかった事になっている。

お母さんが、自身の永遠神剣の能力を行使して、時間を巻き戻した為に最初から何もなかったかの様に元通りとなっている。

やっぱり、時系統の神剣って便利だよな。
まぁ、あまりその能力を使い過ぎると、時空に歪みが出来るが、森の修復程度ならば問題はないだろう。


「もう少しで一撃入れられると思ったのになぁ」


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