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緋弾のアリア-諧調の担い手-
第五話
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。ただし、最初は牽制の意を込めて、ゆったりと弾幕を張れ」

『了解です、主様。』

「では、行こう!」


俺はそう告げて、再び加速した時の中を走り出した。






1







「…浅かったか」


足を抜き放った体制のままに、そう凍夜は呟いた。

蹴りを放つ刹那、瞬時にあの子は逆手に構えた小太刀と腕を交差する事で威力を殺した。
勿論、加減はしたがそれなりの速度と威力を孕んだ一蹴だった。

見事だとしか言い様がない、あの歳でのそこまでの技量を有している事に。
凄まじい成長速度だと、我が子ながらに関心する。


「…さて、これで終わるとは思えないが。“絶刀”お前はどう思う?」

『そうですね、主の子である時夜様がこの程度で終わるとは思えません。あの子の事です、すで反撃の一手を考え、行動に移っているでしょうね。』


俺の手に握られた一振りの刀、永遠神剣第四位『絶刀』は俺の内心と同じ事を思っていたらしい。
確かに、あの子はこの程度では終わらないだろう。
反撃の策、それを講じる時点で実力差を理解している。戦場ではその見極めも重要な一つだ。

そう思考に陥っていると、今まで会話に加わっていなかった。
俺の腰に差さっている白銀の片刃中剣型の永遠神剣『継承』が会話に加わってきた。


『主、微かにだけれどマナによるエリアサーチが行われている』

『まだあちらは此方の位置を把握出来ていないみたい。先制攻撃のチャンスです』

「―――継承」

『承知』


俺の意図を汲み込んで、継承は行動に移り出す。
鞘に納められたその刀身が、鞘越しにでも解る程に神々しく輝き始める。


『オーラフォトン・ストライク』


そう言霊を唱えると同時。
光は空へと集って、オーラフォトンによる長槍を幾本も形作っていく。


「―――放て」


俺のその合図で、放たれる事を待ち望んでいたかの様に長槍は標的に向かい降下され、降り注ぐ。
あの蹴りでは倒しきれていないのは百も承知。これは所謂保険だ。
程なくして、遠方から長槍が爆ぜる炸裂音が聞こえてくる。

「ふむ、これでどうかな?」


数瞬の後。
思案する間を与えず、お返しと言わんばかりにマナによるシューターが全方位から飛んでくる。

速度は上々だが、弾幕にしては手薄だ。これは様子見の牽制だろう。
左腕で払う様に、迫るシューターを難なく破壊する。破砕音を立てて、それは儚くも散りゆく。


「さて、次はどう出る時夜?」


息子の次なる一手を想起して、俺は薄く笑みを浮かべた。






2







「…………」


俺は樹齢の高
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