第三話
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凄いの一言に尽きる。凄すぎて、逆に言葉がそれしか思いつかない。
閑散とした現代日本の住宅街に、この一軒だけが時代を取り残されたかの様に存在している。
この屋敷はお母さんが設計を手掛けたらしいのだが、一体どれだけのお金が動いているのか。
逆にそれを考える事が怖い位だ。
色彩豊かな和花の咲く庭園を歩きながら、俺は玄関の扉が開くのを待つ。
インターホンを鳴らしたので、留守番をしているリアが応接に現れる事だろう。
……それにしてもだ。
俺は屋敷へと目を向ける。その中から多大なマナを感じ取る。
俺はそれに思わず、思わず冷汗を掻くが、両親は気にした様子はない。
「お帰りなさい、主様。御二方」
玄関の扉が開く。そうして、碧銀色の髪を靡かせて、リアがその姿を覗かせる。
それぞれ互いに、帰宅の挨拶を済ます。そして、家へと漸く帰宅する。
「如何でしたか、幼稚園の方は?」
「ああ、早速友達が一人出来たよ」
「それは大変喜ばしい事です」
玄関へと入ると、それは顕著であった。
目には見えないながらも、膨大なマナが屋敷内に満ちている。
玄関で靴を脱いでいると、不意に見慣れない民族衣装の様な装飾の靴が目に映った。
そして、それとは意外性に欠けるが女性物のフォーマルシューズ。
「なんだ、もう来てたのか」
「…意外と早かったですね、二人共着くのが」
「……んっ、誰か知ってるの?」
「主様も知っている方達ですよ?」
両親は訪れているマナの持ち主達の事を知っている様だ。
俺が知っている?俺はリアの言葉に首を傾げる。一体誰だろうか。
両親に続く様に、居間へと入る。
そして二人の見慣れた女性が目に映る。
「あっ、来た来た!久しぶりだね、時深!凍夜!…時夜くんもまた大きくなったね!“リコ”もそう思うよね?」
「…二人共お久しぶりですぅ、“ユキナ”の言う通り、大きくなりましたねトキヤ」
一人はピコピコハンマーを片手にした赤髪の活発そうな少女。
そしてもう一人はおっとりした口調とは裏腹に露出の多い着物を着ている黒髪の少女。
「…ユキナお姉ちゃんに、リコお姉ちゃん?」
俺は本来この時間樹に存在しない二人の女性に思わず目をパチクリ…とする。
俺は答えを求める様に、両親へと視線を傾ける。両親はドッキリが成功したかの様に顔を見合わせている。
永遠神剣第二位“縁思”の担い手、 縁思のユキナ。
そして永遠神剣第三位“破壊”の宿り手、破滅の導きパウリコスカ。
その二人の永遠存在が何故、この世界にいるのかと。
「二人共、時夜の幼稚園の入園を祝うのに態々来てくれたのですよ」
俺の心内を代弁するかの様
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