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緋弾のアリア-諧調の担い手-
陽だまりの日々
第一話
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の神剣。
俺のもう一人のパートナーだ。

今からもう少しで一年になる。俺が永遠存在となってから。
それはこの世界での時間での話だ。

別の異空間では、永遠存在としてのノウハウを徹底的に叩き込まれた。
時間にして、約百年弱だろうか?

不死存在とは言え、決して短い時間ではなかった。
だが、そうした過程の上で、今の俺と言う存在があるのだ。

両親の俺を思ってくれる気持ちもあったのだろう。確かにそれを感じた。
その中で、厳しくもあったが、生きて行く為の術を、学ばせて貰った。

俺が永遠存在へとなった当時は、家の両親は共に仕事でこの出雲を出払っていた。
そして帰ってきた時には、俺が永遠存在へと変貌していて、ちょっとした混乱があったものだ。

だが、今ではヴィクトリア共々ちゃんと受け入れられている。
嘗て話をする際に、嘘をついてしまった事。…それに、少しばかりか今でも胸が痛む。


「…………」


俺は思考の海に浸っていた自らの思考を引き戻し、眠り眼を擦る。
そうして、思考を切り替える。


「…さて、着替えるから出てってくれないかな?」


俺はそうリアに向けて口にする。
だが、碧銀色の髪を揺らして、少女は否定の意を示す。


「ダメです、そうして私を出させて二度寝した事が数度ありましたでしょう?」

『私が知る限りでは七、八回ね』

「…むぅ、大丈夫だって。俺ももう五歳だぞ?」

「なりません、今日は朝の鍛錬があるのですから。ほら、私が着替えさせてあげますから」


そうして。
半ば強引に寝巻きを脱がされてヴィクトリアに着替えさせられる俺。
傍から見れば、手の掛かる子供と子煩悩な母親の様な図にも見える事だろう。


『全くよね、時夜は手が掛るわ』

「勝手に人の心を読むなよ、時切」

『……まぁ、そこが可愛くもあるのだけれどね』


時切が何やら小言で呟いているが、上手く聞こえない。
それよりも、この現在の状況に対しての羞恥心で気にする余裕はないのだ。






1







リアに着替えさせられるという強制イベントも消化して、俺は今出雲の緑溢れる森林の中にいた。
大自然に満ちた森の中は、新緑へと鮮やかに染まっている。

肺へと、心の奥底へと届く程に空気は澄み、木々の間から漏れる陽光に思わず目を細める。
心が穏やかに、宥められてゆく。だが、そこに緩みは存在しない。


「…いい天気だな」

『…そうですね、ですが主様』


解っている。
俺はリアの言葉の意図に気付いて、頷く。二の句を紡ぐのを前に、それを遮る。

リアは現在、化身状態を解き、俺の周囲に四本の鞘として浮遊している。

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