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ルドガーinD×D (改)
三十五話:歪んだ歯車が動かす者
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現れると同時にルドガーを蹴り飛ばす。ルドガーは何とか腕でガードしてダメージは残さないようにするがそれでもヴィクトルの強力な蹴りの衝撃の全てを殺すことは出来ずに後ろに吹き飛ばされ窓を突き破り地面に落ちていく。

誰もが次は自分達に来ると思ったが、あろうことかヴィクトルはそのままルドガーを追って自分も窓から飛び降りてしまった。これには理由がある、その理由は彼がルドガー・ウィル・クルスニクという人間が校舎から落下した程度では死なないことを“誰よりも”分かっているからだ。

ヴィクトルはルドガーと同じように落下していきながら双銃を取り出し、空中という飛べない人間にとっては最もバランスが取りづらい空間で的確にルドガーの心臓目掛けて銃撃を放っていく。それに対してルドガーも双銃を創り出し、これまた人間ワザとは到底思えないような正確無比の狙いでヴィクトルの弾丸にぶつけて相殺していく。

そして地面にあと少しで着くというところで二人同時にハンマーに持ち替えて体のひねりを使い加速させた一撃を打ち合わせる。同じように、いや、ルドガーの方が僅かに多くの距離を吹き飛んでいくがそこでどちらとも同じように一回転して着地する。そしてすぐさま同時に双剣に持ち替えて激しい火花を散らしながら数え切れないほどの剣撃を切り結んでいく。


「俺は審判には関わる気はないんだ! だから俺を殺しても無駄だ」

「いいや! 私が“俺”になるために貴様を殺さなければならない!」


お互いに叫びながらの剣撃の嵐は徐々に一方的な物に変わり始める。ヴィクトルが一方的に攻め、ルドガーは防戦一方となり始めている。それも当然だろう、なぜならヴィクトルの戦闘技術は
十年の研鑽によりルドガーのはるか上を行っており。

尚且つその肉体は以前の戦った時のように時歪の因子化(タイムファクターか)において弱体してはおらず、右目が見えないということもなく完全にルドガーを上回っている。
ヴィクトルの今の肉体は完全に最盛期の物なのだ。同じ戦い方をする以上はルドガーに勝ち目はない。


「エルは今を生きているんだ! そのエルの頑張りを無駄にするな!」


「エルは私のものだ! 貴様がエルを語るなっ!」


ルドガーの呼びかけにも全く応じずにヴィクトルはさらに握りしめる剣に力を入れていく。
ヴィクトルの振るうその剣は妖刀でもないのに怒り、憎しみ、そして悲しみが籠った禍々しさ、さえ感じさせた。そして遂にその剣はルドガーの持つ剣を弾き飛ばした。ルドガーは直ぐに新しい剣を創りだそうとしたがそこに鋭い蹴りを入れられて地面に倒れ込む。ヴィクトルはそんなルドガーの右肩に逃げられないように片方の剣を突き立てる。


「ぐっ!」

「私は貴様を殺し、願いを叶える。あの頃に……“みんな”が居
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