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ルドガーinD×D (改)
三十五話:歪んだ歯車が動かす者
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て貰った恩を返さずにアザゼルの元を離れるのも不義理に感じたので今回ばかりは三勢力側につくことにし、ギャスパーをアーサー達に守って貰っているのだ。

さらにそこにテロ組織に入っていたことを後ろめたく思っていた黒歌が加わり、ギャスパーを守る戦力はハッキリ言って過剰戦力になっていた。だからこそ、自信をもってリアスに大丈夫だと言えたのだ。それに対してヴィクトルは特に感想もないのか話題を変えて少し話し、ヴァーリの質問がなくなると黙り込んでしまった。


「おい、まだ俺の質問が残っているぜ。お前は誰なんだ? それにお前の目的は何だ?」

「まず、何者かから答えよう。私はルドガー・ウィル・クルスニクに最も近く、最も遠い者だ。
 そして目的は……君なら分かるだろう? ルドガー」


そう言ってルドガーを指差すヴィクトル。一同がルドガーの方を見るがルドガーは苦しそうな表情を浮かべながら黙っているだけだった。ヴィクトルはそんなルドガーの様子を見ながらゆっくりともたれかかっていた壁から離れ窓の傍に歩いて行き、外を眺め始めた。

そこにはギャスパーの神器(セイクリッドギア)である『停止世界の邪眼(フォービトウン・バロール・ビュー)』利用するという作戦を諦めて力押しとばかりに次々と魔法陣から現れる魔法使い達がいた。魔法使い達は校舎に向けて魔法を発動させて攻撃していたが校舎には堅牢な結界が張られているために壊すことが出来ない。そんな様子からヴィクトルは目を離しルドガー達の方に向き直る。


「このまま話すのもなんだ。私達も始めるとしよう」

「あら、じゃあ、私と一戦(デート)でもどうかしら?」


ヴァーリが微笑んでそう言った時にはヴァーリの視界にはヴィクトルの姿はなかった。
一瞬、訳が分からなくなったヴァーリだったがハッとしてすぐに後ろを振り返る。
するとそこには案の定ヴィクトルがいた……拳銃の形を作った手を頭に突きつけた状態で。

ヴァーリはそのことに思わず冷や汗を流す。もし、彼の手ではなく本物の拳銃であれば、鎧を纏っていない状態の自分では防ぐことが出来ずに死んでいたのだと気づき相手の力量の高さを否応なしに思い知らされる。そのことはその様子を見ていた周りの人間達にも言える、各勢力のトップである者達にですら一目で侮れないと判断を下させ戦闘態勢に移らせたのだから。


「君のような美しい女性に誘われるのは光栄だが……私が愛しているのは今も昔も、そして未来においても妻だけだ」

「……随分と愛妻家なのね。奥さんに会ってみたいわ」

「私が全てを取り戻せば会えるさ……だが、その為には―――お前を消さなければならない!」

「ぐあっ!?」


ヴァーリの後ろから、またもや瞬間的に消えたヴィクトルはルドガーの正面に
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