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執筆手記
没ネタその5 シリカ達の逆行

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 朝、今日も小学校に行く準備を終えて朝食を食べる。

 家の電話が鳴り、お母さんが電話に出た。


「――――あ、はい――――珪子、お友達からよリカさんから」

「――――リカさん? エリカ? 誰だろう?」


 同じ学年で名前にリカの付く子は三人くらい居た気がするけど…………特に親しい子は居なかった筈。


「もしもし? お電話変わりました珪子です」

「あ、シリカ!? あたしの事覚えてる? 里香よ、リズベットって言った方が良いかしら?」

「…………あの、すいません。同級生のリカさんですか? 『シリカ』はあたしのハンドルネームですけど、どこで会いましたか?」

「――――――――ごめん。あたし何か勘違いしてたみたい。ごめんね、忘れて」


 そう言って電話は切れてしまった。


「…………何だったんだろう?」


 その電話の意味を知ったのは――――それから三日後の事だった。




 目が覚めると見慣れたあたしの部屋で、朝のまどろみの中で、ぼーっとしていた。


「珪子、朝よ、起きなさい」


 部屋のドアをお母さんが開けた――――あれ? お母さん昔の髪型に戻したんだ。

 あれ? 昨日もお母さんの髪型は同じだった? 昔って何時だっけ…………!?


「――――!? あーーーっ!?」

「どうしたの? 今日は日直だった?」

「ううん。違うの、ちょっと電話してくる」


 あたしは記憶の中から電話番号を思い出して番号を打ち込む――――そして直ぐに繋がった。


「はい。篠崎です」

「あの、あたし綾野珪子って言います。里香さんは居ますか?」

「あたしよ。おかえりシリカ、良くあたしの家の電話番号を覚えてたわね?」

「覚えやすい番号でしたから――――――そ、それよりもッ!? これって現実なんですか!?

 まさか、またゲームの中とか!?」

「あたしもその辺を疑ってみたんだけどね、血は出るし、記憶どおりの歴史が繰り返されてるし、此処は間違いなく過去よ」

「――――それじゃあ。他の皆さんは!?」

「…………明日奈はまだ駄目だったわ、あんたが思い出せたんだから――――その内思い出すかもしれないわね。

 とりあえず、電話代も馬鹿にならないし、近い内にリアルで会いましょう」



――――――――――――没ネタ此処まで。
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