【IS】百万回負けても、諦めない。
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俺にもダメージが入るが、これこそがこの特攻のキモ。
シールドが突き刺さることによって、ミスト槍の取り回しが事実上不可能になった。
IS一機をギリギリで覆える大きなシールドががっちり刺さるのだ。しかもシールドが邪魔でミスト砲も使えない。これによって、武器を奪われたミレディは無防備になる。
そしてこれこそ最後の作戦。手首のギミックで両手にヒートナイフを握った俺は――
「必殺ルパンダイブ!!」
「えぇぇぇぇーーーッ!?」
そのまま楯無さんの細いウエストのくびれを抱きしめた。おぉう、女の子のお腹を抱きしめるとか初体験過ぎてちょっと恥ずかしい。
ダイナミックセクハラ?いやいや違う。見た目は間抜けだが――ヒートナイフでバリアエネルギーを削るにはこれが一番効率がいい!!
俺は彼女の身体をがっちり手で掴んだまま、PICコントロールで両腕の慣性をその場でがっちり固定。彼女の両脇腹にヒートナイフを押し付けた。当然ながらそんなことをすれば絶対防御が発動してバリアエネルギーが爆発的に消費される。
「くあぁぁぁぁああああ!?こ、この……ッ!?」
高熱に悶える楯無さん。ヤダ、今の俺って傍から見たらかなり犯罪者。でも勝てばいいのだ。
ヒートナイフとは、どこぞのガンダム好きな皆さんが超振動ナイフを「熱摩擦で斬るんだからヒートナイフだ!」と言い張った結果ついたあだ名である。
ヒートナイフ……ぶっちゃけIS世界ではほぼ産業廃棄物だ。当たれば威力は高いが、リーチが拳とほとんど変わらない上に空中戦では使いにく過ぎて使用メリット殆どゼロ。当然すぐにその武器は生産停止となった。
そして、その在庫がまだ学園にあると知らなかったら、俺のこの戦略は成立しなかっただろう。
「は、離れなさい!!」
「お断りだね!このタイミングを逃すと勝てないんだし!!」
ミレディの手が殴る。足が蹴る。だが残念なことにミレディはパワータイプではないのでダメージは少ない。それでも軽量化したせいで構造的にダメージが入りやすい部分がどうしてもあり、彼女はそこを重点的に狙って効率的にダメージを与えてくる。かなり、バリアの減りが早い。
だが、それでもヒートナイフが先にバリアを削りきる。その計算を信じて、衝撃に揺られながら死に物狂いでヒートナイフを押し当て続ける。長剣には出来ず、銃にも出来ず、だがヒートナイフにだけ出来る――ゼロ距離継続ダメージだ。ナイフの熱と振動によるダメージは、剣でひたすら切りつけられているのと同じことだ。そのダメージは凄まじい。
ミレディの失態は一つ。第三世代武装と複合武器に殆どの容量を取られ、完成されたコンセプトと代償に汎用性を失ったことだ。つまり、今この瞬間のような事態を予想していなかったのである。
湿度が爆発的に上昇し始めた。もう一
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