【IS】百万回負けても、諦めない。
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が、今後はいろいろと考える。
色んな武器で色んな戦術を試し、敗北しまくった。その経験から導き出される今の無様だ。この敗北塗れの無様な姿こそが、俺にとっての勝利の道。俺はこの手であの人に勝つ。この方法なら打鉄で勝てると確信してる。
湿度がそろそろ臨界だ。――クリパが来る。
「――所で、妙に熱いと思わない?なんか蒸すわよね〜」
「ISのバリアで守られてるんで特には。――ま、この先の展開は読めますが」
今まで分かっていても喰らってしまったクリパ。だが実はそこに解決策が転がっていた。極論を言えば――クリパを撃たせることでこっちが得をするようなシチュエーションに持ち込む。
楯無さんはまだ気付いてすらいないだろう。実は――俺がとっくの昔にクリパ対策を完成させているということに。何せ一度も使ったことはないが理論上は非常に単純な方法で攻略可能なのだ。
「じゃ、いつものように一発爆発しとく?」
発火、爆発する気だ。タイミングは今しかない。
俺は量子化のインターフェイスに予めカウントセットしておいた「あるもの」を、爆発の直前に自動で出現するようプログラムしておいた。手動ではミスする可能性が高かったので、クリパの湿度と爆発までの時間を計算尽くで導きだし、それに重なるものになるよう何度もシミュレーションしたのだ。
『カウントゼロ。格納ボックス2番、解放します』
格納ボックス2番というのは簡単に言えば拡張領域という名の箱の二番目ということだ。その中からたった今、ひとつの物が解放された。
瞬間、打鉄ちゃんを中心に凄まじい勢いの風が吹き荒れた。
「な、これは一体……!?」
「……計算通り!!」
発動していない、その事に驚く楯無さん。今は細かい事はどうでもいい。重要なのは――今の風で待機中のアクアクリスタルが霧散したということ。つまり、爆発を完全に無効化したのだ。クリパの瞬間、ミレディは爆発の衝撃に巻き込まれず相手にも悟られにくいギリギリの位置で待機する。その座標に、俺はすぐさま瞬時加速で突っ込んだ。
今しかない。クリパの使用をした瞬間、一瞬だけ情報処理でミレディの動きが停止する。クロスカウンター覚悟で散々ちょっかいを出して撃墜された時に見つけ出した、普通なら欠点にすらならない法則だ。何せ停止している間、相手は爆発で一時的に行動不能になるのを前提としてるのだから。
それでも楯無さんの対応は早かった。突っ込む途中になんとかミスト槍を俺の方に向けてカウンターを狙ったのだ。
が。
実はその方が都合がいい。
俺は、瞬時加速の時点でそれを予想して、シールドを真正面に掲げていた。
するとどうなるか。
加速潰しの弾丸はシールドに防がれるが、ミスト槍の切先はシールドに突き刺さる。ついでに貫通して
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