2舞い降りるは奈落の底
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たいなヤツと太っていてオークみたいなのがこっちを見ていた。…ああ、【愛玩人形】が働いてるのか。
「へへっ…今回はウチをご利用してくださってぇありがとぅございやす」
罵声を飛ばしていたのは、いかにも小物そうな奴隷商の男だった。奴隷商の男も例外なく【愛玩人形】の効果にかかり、チラチラとこっちを見るがわかる。
「ふむ、早速で悪いのだが…その娘を貰おうか」
太っていて、身長は170センチぐらいあるオーク(仮)みたいなのが僕を指差しながら言った。
うえぇ…。マジかよ…。
「へへっ…この娘っ子はその…見た目も大変いいでっし、お値段のほうを…」
「いくらだ?」
「百万ユロで……」
オーク(暫定)にかわってリザードマン(仮)がその言葉にキレた。
「なにいってんだ!どうせその娘は誘拐してただで手にいれたんだろ!?ボッタクリもいいところじゃないか?え?」
NPC…だよな?こんなに高性能なのか?それとも決まった言葉を喋ってるだけなのか?VRゲーム初心者の僕には区別がつかなかった。
「三十万ユロ。これで充分」
「えっと…七十万ユロ…」
「なんかいったか?」
「いえ、なにも……」
奴隷商の男は渋々と、紙とペンを取り出した。
リザードマン(暫定)は何処からかパンパンに詰まった、多分三十万ユロが入った袋を奴隷商に渡し、紙に何かを書いてそのままポケットにしまう。すると、
『オーク小王に奴隷として売られました』
とメッセージが入った。メニューを確認してみると、
職業:奴隷(主:オーク小王)
となっていた。これはあれだろう。こんなのが僕の主人とかになるのか。うーん…奴隷って何とかならないのかな…。
「おい、命令だ。こっちに来い」
オーク小王(小王ってなんぞ)の一言で僕は自分の意思とは関係なく、その言葉にしたがった。
マジでこれどうなってんの?普通に考えてプレイヤーがここまで操られるなんておかしいだろ。後で@weki見よ。
俺はオーク小王の横に立った。奴隷の列から外れたことで他の奴隷の顔がよく見える。ゴツい声の人を探してみたけどそれらしき人は見当たらなかった。声と見た目は一致しない人らしい。
「他にお求めになったりは……」
「せん。さっさと帰れ」
「はひっ!」
商人としては当然のことをしたのに、気に入られなかったのか散々な奴隷商の男。同情はせんがな。
奴隷商の男は他の奴隷を馬車に入れて早々に帰っていった。
「さて……」
オーク小王は僕に近付き、三本しかない指で僕の頬をいやらしい手付きで撫でる。
その容姿と、撫で方に僕は生理的嫌悪を感じた。
「……っ!」
「堪らんなあ。実に初々しい」
「たった三十万ユロで買え
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